「ヤマルも間近で見てきた」ピクシーの右腕が語る森保ジャパンの課題「C・ロナウドのような選手と次世代の台頭」【インタビュー】

喜熨斗勝史氏が語る日本代表の課題とは?【写真:徳原隆元】
喜熨斗勝史氏が語る日本代表の課題とは?【写真:徳原隆元】

セルビア代表で指導した喜熨斗勝史氏、森保ジャパンが見せる着実な成長に「凄い」

森保一監督率いる日本代表は史上最速で2026年ワールドカップ(W杯)出場を決めるなど、欧州組が中心となったチームは着実に成長を続けている。セルビア代表でドラガン・ストイコビッチ監督(愛称ピクシー)の“右腕”としてW杯や欧州選手権(EURO)を経験した喜熨斗勝史監督(セランゴール/マレーシア1部)は、快進撃を続ける森保ジャパンを「アジアでは突出した存在」と語る。その一方、さらなる躍進のためにはより優れた個の存在や若い選手の登用が鍵になると感じているという。(取材・文=石川 遼/全4回の4回目)

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「森保監督とは少し交流があって、私がマレーシアでタイトル(マレーシアチャレンジカップ)を獲った時にも連絡をもらいました。お互いに会って意見交換をしたりすることもありますが、そんな森保監督の下で日本代表が強くなっているというのはすごく感じます。森保監督のチームをまとめる力は本当に凄い。監督の下で、いまや日本はアジアの中でも突出した存在として認められています」

 森保ジャパンはW杯アジア最終予選でサウジアラビアやオーストラリアといった“ライバル”を寄せ付けず、3試合を残して本大会出場を確定させた。喜熨斗氏はアジアでは日本が頭一つ抜けた存在となっているとしたうえで「課題があるとすれば、まだクリスティアーノ・ロナウドのような世界のトップ・トップの選手が出てきていないこと。そして若い次世代の台頭だと思っています」と語る。セルビア代表では10代から20代前半の若手がW杯やEUROのような大舞台に何人も立つ光景を目の当たりにしてきたからこその感覚だろう。

「私がセルビア代表でコーチになった時、FWドゥシャン・ヴラホヴィッチ(ユベントス)やDFストラヒニャ・パブロビッチ(ACミラン)は21~22歳。DFニコラ・ミレンコビッチ(フィオレンティーナ)もまだ20代前半でした。対戦相手のラミン・ヤマル(スペイン代表/FCバルセロナ)のような選手も間近で見てきました。そういった若い選手がEUROやW杯、ネーションズリーグのような大舞台を経験しています」

セランゴール(マレーシア1部)で監督を務める喜熨斗勝史氏【写真:本人提供】
セランゴール(マレーシア1部)で監督を務める喜熨斗勝史氏【写真:本人提供】

 日本でも若い選手が高卒で即欧州に渡るようなケースも増えてきたが、そういった選手たちも必ずしも高いレベルで出場機会を確保できるわけではなく、すぐにA代表へと登り詰めるような選手はほんの一握りだ。

 喜熨斗氏は「アジアではもう突出した存在になっているのは明らか。今後は若い選手がA代表に入って大きい舞台を経験できるかどうか。そういったことがとても大事になってくるはずです」と新世代のタレントが競争に加わることを期待していた。

(石川 遼 / Ryo Ishikawa)



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