浦和に生まれた試合支配の好循環 元“リハビリ組”FWが攻守で躍動…「完全に仕上がってます」

浦和FW松尾佑介は京都戦で2試合連続となるゴールを記録
浦和レッズは4月16日のリーグ第20節の先行開催、京都サンガF.C.戦に2-1で勝利した。2試合連続ゴールのFW松尾佑介は攻守にわたって貢献度の高いプレーを見せ「完全に仕上がってます」とスタジアムからの喝采も浴びた。
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昨季終盤に椎間板ヘルニアの手術を受け、今季のプレシーズンキャンプ時点ではリハビリ組で出遅れた松尾だが、3月に入った頃から途中出場を中心にピッチに立って徐々に復調してきた。そしてFWチアゴ・サンタナが起用されてきた1トップに、13日のFC町田ゼルビア戦(2-0)から2試合連続でスタメン出場。その町田戦では速攻で背後に抜け出しスピードあるドリブル突破からゴールも決めていた。
中2日となった京都戦でも11人全員をスタメン継続とした浦和は前半24分、MFマテウス・サヴィオが入れた低い弾道の右コーナーキックに、密集の外をニアサイドへ回り込んできた松尾が合わせた。相手に当たったボールを再び松尾がシュートし「手前の相手の股下を狙った」ボールはGK太田岳志と2人の股下を抜けてゴールに吸い込まれた。2試合連続ゴールに、試合後の場内インタビューで「完全に仕上がってます」とコメントして大きな声援を浴びた。
ロングボールを競り合って受ける傾向のあったサンタナに対し、松尾は背後に抜けて相手の最終ラインを押し下げるか、サイドに流れる動きが多い。そして、MF渡邊凌磨が手前のスペースを使う役割分担ができている。チームの2点目も、松尾が右サイドに流れてキープしたところにチームが押し上げ、中央に残った渡邊が決めたものだった。
そうした面について松尾は「全部が全部裏じゃなくて、手前の引き出しもしっかり用意している。ボールホルダーに合わせて僕も判断していますし、いいところにボールを置いてくれるようになったので、チームとしての攻撃の厚み、その後のボールを失った後のリカバリーのプレスも非常に形がいいので、そのまま即時奪回できるような形で、僕たちがゲームをコントロールできるという良い好循環です」と手応えを話した。
また、それに加えて渡邊と最前線に並ぶ一列目の守備で質が高く、良い制限を掛けられるようになったことで中盤の選手がボールを奪える回数も増えた。自身も「一番改善したのは、プレッシャーに行くタイミング。全部が全部がじゃなくて、ブロックを作るのか、プレッシャーで切るのかのタイミングが僕自身判断できているので、それでスイッチがうまく、他の選手も切りやすい状況になっているのが改善した点かなと思います」と話す。
この日のゲームキャプテンを務めたDFマリウス・ホイブラーテンは松尾の守備への貢献について「間違いないですね」と話し、「松尾がトップにいるとファンタスティックなプレーを見せてくれます。スピード、裏に抜けるタイミング、かなり裏に出てボールを保持してくれます。それを試合中に理解してプレーすることが、今回と町田戦ではしっかり表現できたと思います」と、松尾のストライカー起用のメリットについて話していた。
突破力もありサイドアタッカーの印象も強い松尾だが、左右両足のシュート力も高い得点感覚も持ち合わせる。今季初の2連勝となった浦和だが、松尾の起用法の変化も大きな要因と言えそうだ。