浦和助っ人MFが“最適解”に? 先発で獲得した「8/13」…躍動に「監督も満足だし、僕も満足」

グスタフソンは町田戦で2-0勝利に貢献
スウェーデンからやってきた実力者が、改めてその能力をピッチで証明した。浦和レッズは4月13日のリーグ第10節、FC町田ゼルビアとの対戦に2-0で勝利。今季のアウェー初勝利を挙げたが、フル出場のMFサミュエル・グスタフソンがゲームをコントロールして安定させた。
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グスタフソンは昨季に浦和へ加入したが、その背景には浦和が招聘したペア・マティアス・ヘグモ監督がスウェーデン1部ヘッケンで指揮を執った際の中心選手だったことがあった。4-3-3システムでチームの中心に据えられたグスタフソンだが、代表活動中の負傷もありコンディションが安定しない時期もあった。そうこうしている間に8月末に浦和はヘグモ監督を解任し、後任は2023年に浦和を率いていたマチェイ・スコルジャ監督だった。
当時J1最少失点のチームを作り上げた指揮官は守備の安定を何よりも重視し、ボランチに求めるものもヘグモ監督とは違う面がある。出場機会が減少するなかで今季を迎えたが、グスタフソンは浦和に残留した。プレシーズンのキャンプ中に離脱した時期もあったことで開幕スタメンから外れ、MF渡邊凌磨の負傷によりボランチでのプレータイムを増やすも渡邊が復帰すると再びベンチスタートに戻っていた。
そのグスタフソンは9日の公開練習後にピッチ上でスコルジャ監督と30分以上にわたり意見を交換する姿があった。この件についてスコルジャ監督は町田戦後の記者会見で「町田戦でスタートからいくこと、どのようなパフォーマンスを期待しているかを話していた」と話した。ミックスゾーンでのグスタフソンはその件について苦笑いも見せたことから、それだけのために使われた時間ではなかったのだろうが、「ディスカッションをしていろいろとシェアをする時間をもらえて光栄でした。すごくいろいろと建設的な会話でしたよ」と話した。
助っ人MF「自分の理想であり、監督の理想」
この町田戦のグスタフソンは最終ラインからのボールを捌きつつ、チーム全体を安定させながら前進にすることに寄与した。時にワンタッチのパスをサイドに展開する場面もあり、そこから渡邊のビッグチャンスも生まれた。ボールを受ける前のポジショニングやターンのタイミングが良く、相手のゴール方向に体を向けて視野を確保できる。試合終了間際でもボールの受け際の駆け引きで相手を振り切った。適切な位置を取るのが早くバタバタと追いかけることが少ないことから運動量のある印象を与えないが、走行距離はチーム内でも2番目に長い。
試合後には「自分のソリューションであるワンタッチでのパスなどは、今日しっかり表現できましたね。僕の本来の姿、ゲームをコントロールする、リズムを与える、どこでキープするか、どこでアタックするか。今日のパフォーマンスに関しては満足しています。みんなの流れが良いと、もちろん全体が楽になりますし、そこが良かったですね」と笑顔を見せた。
指揮官とのプレーのすり合わせについて「そのことについて話し始めると長くなる部分だと思いますが」としたものの、「今日はチームも良くできていたし、自分のパフォーマンスも良かった。それが自分の理想であり、監督の理想でもあると思います。そこまで複雑なことではないでしょう。今日は監督も満足だし、僕も満足。素晴らしいフィーリングでパフォーマンスも良かったし、ファンの前でこのようなものを見せられて良かったと思います」とも話していた。
グスタフソンがスタメン出場した今季の5試合は2勝2分1敗と、合計勝ち点13のうち勝ち点8を得る好成績が残っているのも事実。グスタフソンをプレーメーカーに据えて最前線にFW松尾佑介を起用し、渡邊をトップ下に配置した中央のシフトチェンジは今季の浦和にとって最適解になる可能性があることを町田戦で見せたと言えそうだ。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)