浦和が完遂した“町田対策”「明確なプランがあった」 徹底された「自由にやらせない」ポイント

浦和は町田に2-0で勝利
準備してきた対策が見事にハマったゲームだった。浦和レッズは4月13日のJ1第10節、FC町田ゼルビア戦に2-0で勝利した。マチェイ・スコルジャ監督は「立ち上がりから選手たちはハードワークしながら戦術的な規律を守ってくれた」と喜びを語った。
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試合前の定例会見でスコルジャ監督は「全体的に町田の空中戦の強さに対して、空中で競り勝つことも重要ですが、それだけではなくて勝てないときは自由にやらせないことが重要だと思います。そしてセカンドボールも非常に重要になります」として、「我々がセカンドボールを拾えば、相手の背後のスペースを使いながら危険なカウンターを打つことができると思います」という町田戦へのアプローチを話していた。
そして、試合が開始すると実際に町田はロングボールの多い展開になり、浦和がセカンドボールの回収で優位に立った。その一因に、蹴られた瞬間に予想される競り合いの地点と町田の選手の間に浦和の選手が挟まっている場面が多かったことが挙げられるだろう。スコルジャ監督は試合後に「セットアップや構造も大事になる。町田はセカンドボールを拾うためにウイングバックも中央に絞ってくるが、マテウス・サヴィオと金子拓郎もそれに対応するようにした」と、サイドハーフを中央に寄せて対処したことを明かした。
セカンドボールの回収についてボランチの一角でフル出場したMFサミュエル・グスタフソンは「明確なプランがありました。どのようにやってくるかは分かっていましたからね。ロングボールで来るチームに対しては、もちろんプレスにいかないといけないけど、セカンドボールに準備しないといけない。そのバランスが重要ですね。それが今日はしっかりできたと思います」と話す。
また、3バックで噛み合わない相手に対し、サイドハーフの背後から侵入されることの多かったシーズン序盤と比較すると、整理が進んだ。右サイドハーフの金子は試合後に「意識していたのは、松尾(佑介)から(渡邊)凌磨くんへ順番にプレスが掛かっている時は昌子選手までいいタイミングでスタートを切ってプレスを掛けること。そうすれば相手は下げるしかなくなるので、そこで出るか出ないかの判断は常に考えながらプレーしていました」と話した。
攻撃面でも、マンツーマン傾向のある相手の守備に対し、相手を引き出しておいて広く背後を使って松尾のスピードを生かす形も機能した。全体的にロングボールの多い相手に対して優位に運ぶ試合の多い浦和だが、この日はその中でも攻守に狙いのハマったゲームを見せ、今季に入り7試合目にしてアウェーでの初勝利をマーク。ここからホームゲームが5試合続く日程とあり、勝ち点を一気に伸ばすことができるか注目される。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)