監督と選手も認めた完敗「ちょっとわかんない」 名古屋に足りない“戦術の浸透”「何も残らない」

アウェーでガンバ大阪と対戦も0-2の敗戦
名古屋グランパスは4月12日、J1リーグ第10節でガンバ大阪と対戦し0-2で敗れた。ボールを握られ突破口を見出すことができずに失点を重ね、監督も選手も「完敗だった」と認めた試合で何が必要だったのか。
試合は序盤からG大阪にボールを持たれる時間が続きチャンスを作られるが、GKシュミット・ダニエルを筆頭にピンチをしのぎ、なんとか0-0で折り返す。それでも同じ展開が続いた後半18分、G大阪FWイッサム・ジェバリの個人技弾で失点を許すと、同31分にもFW山下諒也に追加点を奪われ0-2で敗戦となった。
ジェバリと互角に渡り歩きながらも、最後は失点を許した名古屋DF佐藤瑶大は「押し込まれすぎた」と触れ、「構えるところはチームの戦術としてあったけど、ちょっと構えすぎたかなって。狙いは構えてからハメに行くことだったんで、そこからハメに行くっていうところの圧力がかけれなかった」と、狙いはあったものの実行できなかったと振り返った。
前半はなんとか耐えしのいだものの、シュートは1本。後半には立て続けに失点し、終わってみれば0-2と完敗となり、シュートも2本とほぼ何もさせてもらえなった。
「シュートチャンスはほぼなかったというか。認めたくはないですけど今日に関しては完敗かなっていう。悔しいですけど、なんかどうできたかなっていうのはちょっと1回映像を見てみないとわかんないぐらいな感覚なんで。しっかり映像を見て、どこが良くなかったのかっていうのは次の試合のためにはすぐ見返したいなと思います」
MF稲垣祥「チームとして合わせていかなきゃいけない」
名古屋は今季、相手がボールを保持している際には3トップ含めて前線の選手が素早くプレスをかけ、引っ掛けてからのショートカウンターや、中盤をコンパクトにしてボールを奪取するゲームプランが多く、そこから得点が生まれるシーンもあった。
しかしG大阪ではいつものように前から行かずにある程度相手に持たせ、構えてから中盤に入ったボールを奪いにいくというプランで臨んだ。MF稲垣祥は「この試合に対するプランとして、ちょっと変化は加えてたんで。そこの手応えっていうのはなくはなかった」と振り返りつつも、「結果的に後半で取られて、こういうふうに負けちゃうと、何も残んなくなっちゃう」とこれまでとは違ったやり方に手応えを感じつつも、完敗の内容に肩を落とした。
自陣に押し込まれてハーフコートゲームみたいな展開も90分の中で多くあり、ボールを奪っても押し返すことが難しかったが、「そこら辺をどう捉えていくかっていうところはチームとして合わせていかなきゃいけないかなと思います」と淡々と言及した。
前半は耐えたに耐え、前半の終了間際には絶体絶命のピンチもシュミットやDF河面旺成のブロックもあり失点は免れハーフタイムを迎えた。しかし後半に一瞬の隙で失点を許した場面には「失点のところもいろいろ要素があると思うんですけど、ああいう失点をしてたら、やっぱり勝てないなと。上位にいけないなっていう典型的な失点だと思うんで」と厳しい口調で振り返った。
「間違いなく前半とかは全員やるべきことをやってたし、もう少し攻撃のところで起点作ってチャンス作りたかったですけど大枠はできたかなっていう手応えはあった。やっぱり後半のところで相手の気をつけてた形で失点しちゃうと、プランというのもすべて崩れてきちゃうから。そこはもう1回チームとして考え直すところかなとは思います。今回このやり方にして、こういう感じの展開になるんだなとか、他の選手のこういうリアクションとか表現になるんだなっていうのを分かったのも一つ経験として、成長していかないといけないし、チームとして一つ材料はまた増えたかなとは思います」と新しいプランを含め、完敗のなかでも収穫はあったと明かした。
名古屋は開幕から10戦でわずか2勝。チームの勝利のために走り続ける稲垣は降格圏に低迷するチームを引き上げることができるのか、次節はホームにサンフレッチェ広島を迎え撃つ。
(FOOTBALL ZONE編集部・小西優介 / Yusuke Konishi)