出番減のJ助っ人は「合わせることも必要」 浦和監督と30分以上の意見交換…伝えられた要求

30分以上の意見交換を行ったマチェイ・スコルジャ監督(左)とサミュエル・グスタフソン【写真:轡田哲朗】
30分以上の意見交換を行ったマチェイ・スコルジャ監督(左)とサミュエル・グスタフソン【写真:轡田哲朗】

スコルジャ監督とグスタフソンが練習後に意見交換

 浦和レッズのマチェイ・スコルジャ監督は、4月11日に定例のオンライン会見を実施。9日の公開練習後に30分以上にわたってピッチ上で意見交換をしていたスウェーデン代表MFサミュエル・グスタフソンとの関係について「チーム内での彼の役割の話と、改善できる部分の話だった」として、チーム内で求める役割がこれまでの経験と違ったものになっていることを話した。

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 グスタフソンは昨季に浦和へ加入したが、その経緯はスウェーデン1部ヘッケンで指導を受けたペア・マティアス・ヘグモ監督が浦和の監督に就任したことが大きな要素になった。4-3-3システムの中央に入ることが日常であり、プレーメーカーとしてはこれまでにない質を見せていた。しかし、浦和は8月末にヘグモ監督の解任を決断し、2023年に指揮を執っていたマチェイ・スコルジャ監督が復帰。その後はチームの絶対的な中心という感は薄れている。

 今季も開幕からベンチスタートとなり、MF渡邊凌磨の負傷離脱時はスタメン起用が増えたものの、復帰後は再びベンチスタートが続く。そうしたなか、9日の公開トレーニング後にはスコルジャ監督と30分以上にわたってピッチ上で会話をする姿があった。両者は通訳を挟まずにコミュニケーションを取れるため、純粋に30分以上の意見交換があった。

 スコルジャ監督はこの件について「あまり細かく皆さんに伝えることはできない」としつつ、大枠では「チーム内での彼の役割の話と、改善できる部分の話だった。ビルドアップの部分での攻撃力には非常に高いものを持っている。ただ彼が成長できる余地はまだある」と話す。

 そのうえで「サミュエルはこのチームのリーダーになる素質や能力がある。安定性が出てくればよりリーダーシップを発揮できるという話をした。そして、どのようにすればそれが達成できるのかという話だった。今まで彼は違ったシステムで違った役割を果たしてきた。私のシステムの中に組み入れると守備的な役割が増えてくる。彼も一生懸命に合わせてくれているのでありがたく思うが、今季のJリーグの基準や対戦相手を考えれば、そこに合わせることも必要だろう」と、グスタフソンに求めるものを話した。

 そしてボランチに求めるものを「Jリーグでは高い強度が要求される。ボランチは90分間、それを発揮できなければいけない。数年前はボランチにスピードは求められなかったが、現代サッカー、特にJリーグは切り替えが非常に速いので、そこが求められる。攻撃でのスキルもゾーン1やゾーン2のビルドアップに参加するだけでなく、ゾーン3に駆け上がっていってシュートを打つことも求められる」と話す。

 スコルジャ監督は渡邊について「(彼の)復帰で安定性を取り戻せるのではないかと思う」と話すなど全幅の信頼を置く発言を繰り返しているが、今季に入りグスタフソンと渡邊を組み合わせたダブルボランチで試合をスタートしたことはない。スウェーデン代表の実力者をチームに良い形で組み込むことができれば、ゴール数が試合数を下回る現状などチームの抱える課題を解消する力や、よりゲームを支配する力を高める可能性は十分にある。両者の間で良い形のコミュニケーションと擦り合わせが進むかは、浦和にとって重要な要素になりそうだ。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)

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