強豪校オファー殺到も…Jユース選択の逸材2年生 開幕戦デビュー「ちょっとびっくり」

名古屋U-18のオディケチソン太地「話をしたりするのは慣れているのかも」
また将来が楽しみな選手が頭角を現してきた。高円宮杯プレミアリーグWEST開幕戦・名古屋グランパスU-18vsガンバ大阪ユースの一戦、名古屋U-18の2年生CBオディケチソン太地がプレミアデビューをスタメンで飾った。
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「今年がスタートしてから身体がスムーズに動くようになってきて、上のレベルでできるかもしれないとは感じてはいましたが、開幕戦からプレミアをスタメンで経験できるとは思っていなかったので、ちょっとびっくりしたこともありました」
初々しいコメントとは裏腹に、彼は立ち上がりから落ち着いたプレーを見せた。3バックの真ん中に入ると、冷静に周りを見渡しながら細かいラインコントロールと、裏や間のスペースを狙ってくるFWに対して、身体の向きを整えながらコースを消したり、スピードで対応したりと頭脳的な守備が光った。
「緊張もなくガツガツできたかなと思います。昨季は右をやっていたのですが、右より真ん中のほうが僕にとってはやりやすいと感じました。落ちてくる相手や背後を狙ってくる相手に対してもマークがつきやすいし、受け渡しもしやすい。ビルドアップの面でもGKから直接受けられるので、僕のところで余裕があるのでやりやすいです」
74分に足が攣って交代となってしまったが、クリーンシートでの勝利に貢献した。
オディケはJFAアカデミー福島U-15 EASTから名古屋にやってきた。高校進学時には複数のJクラブユース、名だたる強豪高校からオファーが届いたが、「僕は高体連よりユースがいいなと思っていました。ユースの方がプロに直結している組織なので、そこで積み上げて成長をしていって、トップで活躍する選手になりたいという思いとビジョンがあったのでユースにしました」と、Jユースの練習に複数参加をして「一番成長できると思った」とグランパスのアカデミーを選んだ。
今、その選択は間違いなかったと確信しているという。
「この1年間で1学年上のDF森壮一朗選手を身近に見てきて、たくさんの学びと刺激を得ました。先輩なのですが、誰にでも気さくにコミュニケーションを取ってくれて、プレー面ではみんなを力強く引っ張ってくれる存在。僕もそういう存在になっていきたいと強く思いました」
4月1日にプロ契約をし、トップに帯同をしている森はライバルではあるが、お手本であり、心からリスペクトする存在でもある。さらに開幕戦は森、186センチの大型DF小室秀太が負傷するなど、守備陣が手薄になった中でスタメンを任されたことで、より自覚と責任が芽生えたと口にする。
「仲間への想いを持ってチーム一丸となることは本当に重要だと思います。僕も責任感を強く持ってプレーしました。これからアウェーもあって、難しい局面もあると思いますが、ピッチ内外で引っ張っていける存在になりたいと思っています。まだまだフィジカル面などパワーが足りないので、そこは筋トレの重量を増やすなど意識を持って取り組んで、チームの中心になりたいと思います」
話していて感じたのは、非常に受け答えがしっかりとしていること。質問をしっかりと頭に入れて、考えて、テンポ良く自分の言葉で話している。そのことを伝えると、彼がこう笑顔で答えた。
「ありがとうございます。小学校の時に学級委員、中学の時は生徒会長をやっていたので、こうして話をしたりするのは慣れているのかもしれません」
根っからのリーダー気質がある。同時に謙虚さとコミュニケーション能力がある。もともとサッカー選手としてのポテンシャルは高いものがあるだけに、彼の持つ人間力とかけ合わさっていく未来が今から楽しみでならない。プレミアデビューはその未来への大きな第一歩となった。
(FOOTBALL ZONE編集部)