18歳逸材DFが2失点関与で流した涙 「プロの世界は甘くない」…激闘で己に誓う“イチから”

ルーキー土屋にとってほろ苦いデビュー戦に
忘れられないデビュー戦になった。4月9日のJ1リーグ第5節延期分、2-1とリードしていた川崎は試合終盤にセンターバックのDFセサル・アイダルが足の違和感を訴え、ベンチに交代を要求した。そして後半43分にDF土屋櫂大がピッチに送り込まれた。
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しかし、ここからわずか3分、横浜FMの攻撃を受けて2失点を喫してしまう。2失点目の場面ではFW植中朝日のマークを外してしまい、MF天野純のゴールにつながるボレーシュートを打たれた。そのわずか3分後、FWヤン・マテウスの勝ち越しゴールの際も、対応しきれなかった。
それでも川崎は後半アディショナルタイム10分、CKからDF高井幸大がヘディングシュートを決めて3-3の同点に持ち込んだ。試合後、川崎のベンチ前で2失点に関与した土屋は涙を流していた。
試合後のミックスゾーンで土屋は「自分が入って2失点してしまった現実をしっかり受け止めないといけない。もちろんめちゃくちゃ悔しいです。でも、この経験をして、今後の未来のフロンターレのために成長しないと、今日しっかり準備して引き分けに持ち込んでくれたみんなに申し訳ないです。難しいですけど上を向いて、今日の結果をしっかり受け止めてチームのために自分ができることをやっていきたいと思います」と、唇を噛んだ。
長谷部茂利監督は「彼の日頃の鍛錬、今日、披露できるのではないかとチャンスを与えました」と、土屋を起用した理由について語ったが、土屋自身もピッチに立つまでは良い感触を持てていたという。
「今週通して、『今日、自分がこのピッチに立つな』と思って準備してきました。呼ばれた時には多少の緊張はありましたけど、自信をもってピッチに入ることができました。今日の試合に出るために準備をしてきたつもりなので」
ところが、結果は2失点。「それで2失点してしまったということは、まだまだ自分に足りないものだらけだと思いますし、まだまだ未熟なので、これから本当に自分にしっかり矢印を向けて、明日から今まで以上にやっていかないと、ピッチに立つことはないと思っています。プロサッカーの世界はそんなに甘くないと思うので、もっともっと自分を見つめて、イチからやっていきたいと思います」と、成長を誓った。
多くの経験をすることが、この先に必ずいきてくる。19歳の誕生日を1か月後に控える若手が、この試合で得た経験は大きいはずだ。試合後にはチームメイトたちから「お疲れ様。上を向け」と声をかけられたという。
「これで顔を上げられないようじゃ、選手としても未熟だと思う。本当にめちゃくちゃ悔しいですし、チームに迷惑をかけたと思っていますけど、これをプラスにしていければ、自分の今後のサッカー人生にもつながってくると思うので。明日から練習もありますし、連戦も続くので、次、チャンスがまためぐってきた時に、同じ過ちを犯さないように。もっと自分の特徴を出せるように、やっていきたいと思います」
この日の神奈川ダービーで勝ち点3を取り逃した川崎だが、土屋がこの悔しさをバネにできれば、この試合で逃した勝ち点は何倍にもなってチームに返ってくるはずだ。