28年ロス五輪で変革 出場枠に変更…IOCの発表受け、宮本会長「一戦一戦が負けられない戦いに」

IOC発表に宮本恒靖JFA会長が言及(写真はイメージです)【写真:Getty Images】
IOC発表に宮本恒靖JFA会長が言及(写真はイメージです)【写真:Getty Images】

ロス五輪では男女の出場国数が入れ替わる

 国際サッカー連盟(FIFA)は、現地時間4月9日に2028年のロサンゼルス五輪において、男子の出場枠を「12」、女子を「16」とすることで国際オリンピック委員会(IOC)や大会組織委員会と合意したことを発表。それを受け、日本サッカー協会(JFA)も10日にコメントを発表し、宮本恒靖会長は「男子に関して、オリンピックへの出場枠が減ったことでアジア予選が更に厳しくなることは間違いない。女子に関して、出場枠が拡大したことは歓迎」とした。

 FIFAは「FIFAは長年にわたり、五輪における女子チームの拡大に取り組んできた。この画期的な決定に向けて過去数か月にわたりご協力いただいたIOC事務局に感謝する。この結果に大変満足しているが、競技、技術、規制など、女子サッカーのあらゆる関連分野において、日々の継続的な取り組みを全力で続け、世界中のあらゆる場所で女子サッカーが秘めている紛れもない可能性を最大限に引き出すために尽力していく」と、この件について発表している。

 女子が16枠に拡大する一方で、男子は12枠に減少。これには、五輪全体で選手数の上限が定められているため、サッカーの男女合計の選手数を増加させることが難しいことも背景にあるとみられる。また、男子は原則的に23歳以下の選手たちで行われ、各チーム3人までオーバーエイジと呼ばれる年齢制限のない選手を加えられる。しかし、大会日程がFIFAの定めるインターナショナル・マッチデーにあたらないことから、欧州ビッグクラブを中心に選手の招集を拒否する例があることなど、純粋に世界一を決める大会という位置づけの女子とは温度差がある。

 JFAの宮本会長は「男子に関して、オリンピックへの出場枠が減ったことでアジア予選が更に厳しくなることは間違いない。アジアの出場枠が最終的に何枠になるのかは現時点で認識していないが、一戦一戦が負けられない戦いになる。パリオリンピック出場を勝ち取ってくれた大岩監督の経験が生きると思うし、JFAとしても出場権獲得に向けて全力で取り組んでいきます」とコメントし、24年パリ五輪で7大会連続出場に導き続投となった大岩剛監督の手腕へ期待を込めた。

 宮本会長は女子について「出場枠が拡大したことは歓迎」として、「アジア予選も決して簡単ではないが、なでしこジャパンはニールセン監督のもとで再び世界一になることを目指していて、そのために一歩一歩着実に進んで行くことが重要だと考えている。27年の女子ワールドカップとともに28年のオリンピックの金メダルを目標に強化に努めていきます」とした。

 08年北京五輪、12年ロンドン五輪を経験し、16年リオデジャネイロ五輪でのアジア予選敗退も監督として経験している佐々木則夫JFA女子委員長は「女子サッカーに携わるものとして、世界における女子サッカーの拡大・発展の方向性は嬉しいことであり、現時点では、アジアの出場枠にどのような変更があるかは把握していませんが、この決定を受けて出場枠が増える可能性があることは、日本の女子サッカーとしても喜ばしいことです」とコメント。

 一方で「今回の女子サッカーの出場枠増加が、なでしこジャパンのロサンゼルスオリンピック出場を何も保証していないことは十分理解しており、ニールセン監督が率いるなでしこジャパンの強化方針に変更はありません。むしろ、出場枠が増えることで、他のアジアの国々も出場権を得ようとさらにモチベーションが上がることが予想されるため、アジア予選がより厳しいものになるかもしれません。ただ、我々はどのような状況であろうと、一つ一つ着実に積み上げて、オリンピックの金メダルを目指していきたいです」と、過去の経験も合わせ見通しを発していた。

(FOOTBALL ZONE編集部)

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