欧州日本人が勝利後に涙「彼らも人間」 監督が明かした“初の出来事”「理解できてなかった」

リーズの田中碧はミドルスブラ戦でフル出場
イングランド2部リーズ・ユナイテッドは現地時間4月8日にリーグ戦第41節でミドルスブラと対戦し、1-0で勝利を収めた。フル出場した日本代表MF田中碧は試合後に涙を見せていたという。
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リーズは前半開始早々にMFダニエル・ジェームズがゴールを奪い先制。同34分には田中のゴールがオフサイドで取り消される場面もあったが、最後まで1点のリードを保って勝利した。
リーズは前節まで3試合連続引き分けと足踏みし、首位から転落。首位に再浮上していたとはいえ、低調なパフォーマンスが続いたことでファンやメディアから厳しい視線を向けられていた。英紙「ヨークシャー・イブニング・ポスト」によれば、試合後には田中がそうした批判に対して涙を見せていたようだ。チームを率いるダニエル・ファルケ監督は「アオにとってはこれがイングランドで最初のシーズンだ。彼のような若い選手にとって、そうした批判を向けられるはキャリアで初めてのことだろう」と語り、田中の涙の理由を明かしていた。
「彼ら(ファン)を責めるつもりはない。我々にはこの国一番のサポーターがついている。彼らも個人を責めているわけではなく、不満を吐き出す必要はある。私は経験があるからそれにもうまく対応することができるが、彼(田中)はまだ若く、彼らが何に対して叫んでいるのか理解できていなかったんだ。彼は試合後にドレッシングルームで涙を流していた。どうしたのかと聞いたら、彼は虚しさや疲労を感じていると言っていた。忘れてしまいがちだが、我々はロボットと一緒に働いているわけではない。彼らも人間なんだ」
プレミアリーグ昇格を争う厳しい戦いのなかで、田中は周囲からの大きなプレッシャーを受けて、感情が大きく揺れ動いていたようだ。
リーグ戦は残り5試合。首位リーズと2位バーンリーが勝点85で並び、3位シェフィールド・ユナイテッドも2ポイント差で両クラブを追う。自動昇格を果たすのは上位2クラブ。熾烈な争いは最後の最後まで続いていきそうだ。