中3でプレミア出場…日本代表10番の逸材「学年は関係ない」 欧州遠征から持ち帰る経験

神戸U-18の里見汰福【写真:FOOTBALL ZONE編集部 】
神戸U-18の里見汰福【写真:FOOTBALL ZONE編集部 】

ヴィッセル神戸U-18の里見汰福、U-16日本代表の遠征では背番号10を背負う

 中学生とは思えないほど、冷静で周りを見渡しながら卓越したテクニックで相手を翻弄する姿が印象的だった。ヴィッセル神戸U-18の新1年生MF里見汰福は、中学3年生だった昨年、プレミアリーグWESTに11試合出場し、2ゴールを叩き出している。中2の時からU-15日本代表にコンスタントに選ばれ続け、今年も4月のフランス遠征に行くU-16日本代表メンバーにも名を連ねている。

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 プレミア開幕前に行われた兵庫プレミアカップでは、インサイドハーフのポジションに入ると、繊細なボールタッチから、相手の逆や背後のスペースをパスとドリブルで巧みに突いて攻撃にアクセントをもたらしていた。

「学年は一切関係ないと思っているので、去年のプレミアでの得点は少ないと感じています。もっとゴールに絡めるシーンがあったのにビビっていたのか、遠慮してしまっていたのか、一歩引いてしまうシーンがあったので、今年は僕がやらないといけないという気持ちがあります」

 力強い言葉だった。そこにはチームの先頭に立つ覚悟が漂っていた。それもそのはず、今季の彼は安部雄大監督から大きな発破を掛けられていた。

「今年は10番の濱崎(健斗)選手がトップ帯同で不在なので、監督からも『お前がその分やらないといけない。去年の濱崎と同じくらいやらないといけないぞ』と言われているので、意識を持って結果にこだわりながらやらないといけないと思っています」

 濱崎は高2だった昨年4月にトップ登録され、9月に天皇杯準々決勝でプロデビュー。プレミアWESTでも10ゴールを叩き出した。3年生になった今年はJ1第2節の名古屋グランパス戦でベンチ入りを果たすと、第3節の京都サンガ戦において途中出場でJ1デビュー。続く第4節のアビスパ福岡戦ではインサイドハーフとして初スタメンを飾った。その後、出番はないが、コンスタントにベンチ入りを果たしている。

「濱崎選手はまず奪われないところが凄い。身長は僕より小さくて(濱崎:165センチ、里見:172センチ)、フィジカル的にも小さいのですが、2人がかりで行っても簡単に抜くし、得点を決めることができる。J1でも一切ビビっていなくて、積極的に間でボールを受けたり、ゴール前でも怯まずにボールを積極的に受けてドリブルを仕掛けたりしているので、あそこまで堂々とプレーをしていることは本当に凄いと思います。だからこそ、僕もそのメンタリティーでやらないといけないという気持ちになっています」

 偉大な先輩だが、同じポジションの避けて通れない強烈なライバルとして意識していたからこそ、安部監督の言葉が心に深く刺さった。この時に甘えは一切捨てた。

「僕もドリブルの緩急や常に前を狙っていることを大事にしています。濱崎選手は考えてやっていますが、僕はまだ感覚に頼っている部分があります。そこはもっと突き詰めてやっていかないといけないですし、同時に自分のスタイルも大事にしたい。僕は縦に速いタイプではないので、相手を見て、間入って行ったり、相手の重心の逆をとったりすることをもっと磨いていきたいと思います。今年は明確な役割があるので、高1だからという言い訳はなしでやっていきたいと思います」

 その覚悟と決意はプレミアWEST開幕戦ですぐに表現された。アビスパ福岡U-18を相手に1-1で迎えた前半27分にFW大西湊太の右からのクロスに合わせて決勝弾を叩き込むと、後半19分にもダメ押しの3点目をヘッドでマーク。2ゴールの活躍で4-1の快勝の立役者となった。

 プレミアWESTの第2節から第3節はU-16日本代表としてフランス遠征に行くためにチームを離れる。彼に与えられた番号は10。U-16日本代表でも先頭に立って引っ張っていかないといけない。

「代表から帰ってきたら、そこで得たものをチームに還元したい。代表として覚悟を持ってやるのはもちろんですが、ヴィッセルU-18はこれまで3年連続プレミアWEST2位なので、今年は絶対にプレミア優勝したいので、個人のためにとチームのためにの両方の自覚を持って代表でもヴィッセルでも怯まずにやっていきたいです」

 味方からはより頼もしく、相手からはより脅威の存在となるように。彼はまさに心身ともに成長の真っ只中にいる。

(FOOTBALL ZONE編集部)

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