サウジ巨額オファーに「いやぁ驚いた」 もし移籍したとしても…三笘薫が語る“今後”【インタビュー】

三笘薫がこれからのキャリアに言及【写真:荒川祐史】
三笘薫がこれからのキャリアに言及【写真:荒川祐史】

サウジアラビア1部アル・ナスルが約173億円の獲得オファーを準備

 イングランド・プレミアリーグのブライトンに所属する日本代表MF三笘薫が、「FOOTBALL ZONE」のインタビューに応じた。世界最高峰のリーグでもトッププレーヤーとして認められつつある今、今後のキャリアについて言及した。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・井上信太郎/全4回の3回目)

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 1月30日、衝撃のニュースが駆け巡った。サウジアラビア1部アル・ナスルが、三笘の獲得に向け、ブライトンに5400万ポンド(約104億円)のオファー。即座に拒否したが、すぐさま今度は9000万ポンド、日本円で約173億円までに増額して2度目のオファーを準備していると報じられた。イングランドをはじめ、日本でも大きな話題となった。

「いやぁ、まず驚いたのと。移籍する考えは全くなかったですけど、本当にどこからでも見ているんだなっていうところは思っていて。全世界でやっぱり見られているんだなと。その数日前ぐらいの試合で結果を出して、たぶんオファーが来たと思うので。そういう1試合の価値っていうのはやっぱり大きいなっていうのを感じました」

 この直前は不安定な1か月だった。12月30日のアストン・ビラ戦、続く1月4日のアーセナル戦と2試合連続でベンチスタート。それでもスタメンに復帰した1月16日のイプスウィッチ戦で8試合ぶりのゴールを挙げると、同19日のマンチェスター・ユナイテッド戦でも2戦連続得点をマーク。調子が上向いたタイミングでのメガオファーだった。

「やっぱりプレミアリーグだからこそ世界中が見たり、試合のプレーで、移籍が決まるぐらいの場所にいられるというのは素晴らしいことだと思います。ある意味、そのオファーで、どれだけの選手かと注目されたと思うので。断る、断らない以前に、そのお金を出す選手の価値があるのかっていうところが、やっぱり見られるところがあるので。僕自身もそこは疑問のところもありましたし。これからそういったレベルの、あれぐらいのお金を出す選手にはならないとなって思いもありましたね。まあまあ、いいプレッシャーになりました(笑)」

「どんなにもがいても試合に出る」

 5月20日で28歳になる。川崎フロンターレU-18では高校3年時にトップ昇格の道があったにもかかわらず、「今のままでは通用しない」と自己分析して筑波大に進学。スピードという武器を手に入れ、プロでの活躍につながった。最初は回り道に見えたキャリアだったが、一歩ずつ自身の努力で切り開いてきた。

「僕の成長曲線を考えると、あのタイミング(21年7月)で海外移籍して、あのタイミングでベルギーに行ってというのは、間違いなくいい過程を踏んだなと思うので。周りの人から見れば『若くない』っていうのも、もちろん分かりますし。まあ、23の時にもう言われてましたしね。ずっと若くないんですけど、そうすると(笑)。大学に行った時点でそれは決まっていることなので、そこからプレミアに来られたのは自分自身の努力次第だったと思います。

 僕がプレミアに行くのも、1年目の時はたぶん誰も想像していなかったと思いますし、年齢どうのこうのって言われてもいいんですけど、僕自身の中ではいろんな過程を踏んでここまできたっていうのがあるので。ここ数年間で、より成熟していく中でどこまで行けるかっていうのは自分自身も楽しみです。でも高卒からプロに行ったとして、ここに来られているかは分からないです」

 以前からチャンピオンズリーグ(CL)への憧れは公言してきた。現在リーグ9位に位置するブライトンでもCL出場権を獲得できる可能性はあるとはいえ、ここまでの活躍を見れば、三笘に興味を持っていないビッグクラブを探す方が難しいだろう。早ければ、この夏にも移籍するか、残るか、大きな選択を迫られることになる。

「そこは僕自身もまだ分からないですね。その時にどう感じるかによってだとは思うんですけど。まず自分が試合に出られる環境に身を置くことが大事だと思うので。もちろん移籍したら、それはまず難しい状況から始まるんですけど、その中でも自分がそこで出ていける自信があるのかというところと、移籍しても試合に出られなかったら、やっぱり難しさがあるので。色んなところを考えた上で判断しないといけないですね」

 これまでもそうだった。川崎フロンターレでも、サンジロワーズでも、そしてブライトンでも、最初はサブからのスタートだった。そこから自分ができること、監督が求めることをしっかり分析し、最後は必ずポジションを確保してきた。

「本当にどのチームでもやっぱり、常に試合に出続ける選手がいい選手だと思うので、もし移籍したとしても、どんなにもがいても、そこで試合に出るっていうところまでは持って行きたい。ブライトンでプレーすることになっても試合に出続けるってところは大事にしたいです」

 残留か、移籍か。どちらを選んだとしても、これまでと同じく、必ず“最適解”にするはずだ。

【インタビュー第4回】俳優の兄とは「いつも喧嘩してました」 小さい頃に憧れた背中…三笘薫を支える“家族”の存在

(FOOTBALL ZONE編集部・井上信太郎 / Shintaro Inoue)



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