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引退から2か月…プロ23年も後悔「20代前半に気づけば」 名ディフェンダーの第2の人生

41歳まで現役を続けた加賀健一氏、浦和レッズU-12のコーチとして活躍中
静岡県御殿場市で3月27日から5日間、ジュニア年代の国際大会「コパ・トレーロス2025」が開催された。国内強豪のほか海外クラブも招待され、U-12とU-11の部それぞれ40チームが参加。浦和レッズU-12のコーチとして、昨シーズン限りでプロ23年のキャリアに終止符を打ったばかりの加賀健一氏も参戦した。
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秋田県出身で2002年にジュビロ磐田に入団し、2005年から期限付き移籍で加入したコンサドーレ札幌で頭角を現した加賀氏。FC東京、浦和レッズ、モンテディオ山形で活躍し、最後は地元のブラウブリッツ秋田でプレーした。スピードを生かした対人守備を強みに、J1通算158試合、J2通算154試合に出場した。
「まだ選手としてやれる自信はありました。でもなかなか、42歳の選手に対して声をかけるとなると。待っててもということで、引退を決めたのは1月20日くらいだったと思います。浦和の方から指導者としてオファーを貰ってどうするか決断しなければいけなかったので、イコール引退という形になりました」
選手としてはピッチに別れを告げ、第2の人生を歩みだす決断を教えてくれた加賀氏。元々、指導者を目指していたわけではなかったというが、「子供たちの成長を感じられる2か月でした。それに自分は楽しさというか、喜びを感じているので、すごくやりがいのある仕事だなと思います」と充実した日々を送る。
「もちろん後悔もいっぱいあります。もっとあれしておけば良かった、これしておけば良かった、と思ったのが35、6歳くらいで、そこから5年くらいはサッカーに費やすことができた。20代前半に気づけば良かったですけど、それを経験としてここから先の子に、言葉と身体で伝えていければいいかなと思います」
また、首の負傷や3度の膝の大怪我も乗り越え、屈強な外国人選手とも渡り合ってきたからこそ伝えられる経験もある。「今の子供たちはうまい子はいるけど、世界に行くにあたって、外国人に対してどういうフィジカル要素が必要なのか。スピード、強さ、そういったところを伝えていきたいです」と明かす。
「怪我もたくさんしたので、どういう取り組みをしたら良くなるとか、復帰に向けてのプロセスだったり、復帰した後の身体に刺激を与えることによって、どのような反応が出るかも分かりました。人体実験みたいな感じで、もう全部頭の中にインプットされているし、それぞれの子供に合わせて伝えたいですね」
大会ではコーチとしての役割だけでなく、審判員も務めるなど奮闘。日本と海外の子供たちの真剣勝負を、目の前でさばいた。「今の小学生たちにはこれが当たり前かもしれないですけど、僕のときはこんな大会すら行ったことない。海外のクラブとやれるなんて、すごく幸せだなと思います」と目を細めていた。
(FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大 / Keita Kudo)