9戦目で今季初勝利も「たかが1勝なんで」 チームの核が自画自賛の一撃「全部うまくいきすぎて」

長谷川元希が今季4ゴール目を決めた
さまざまな思いを込めた一発だった。アルビレックス新潟は4月6日、J1リーグ第9節でヴィッセル神戸と国立競技場で対戦し1-0で勝利した。リーグ戦での勝利は実に昨年9月14日の湘南ベルマーレ戦(3-1)以来、7か月ぶりだった。
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チームに待望の勝ち点3をもたらしたのはMF長谷川元希だった。試合後のミックスゾーンで長谷川は、「単純にうれしいです。なかなか勝てていなかったので、この勝ちがまた新たなきっかけになる1勝になったのかなと思います」と、勝利を噛み締めたが、国立競技場が相性の良いスタジアムであることは間違いないだろう。
2023-24シーズン、当時ヴァンフォーレ甲府に所属していた長谷川はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)で躍動したが、その時にホームゲームで使用されていたのが国立競技場だった。「特に意識していないんですけど、やっぱり国立でやるっていうだけでテンションが上がるし、それがみんなにも良いモチベーションになったのかなと思います」と、神戸のホームゲームながら国立競技場で行われたことで、新潟のホームゲームのような雰囲気になっていた試合を振り返った。
今季すでに3ゴールを挙げていた長谷川が、シーズン4点目を挙げたのは前半12分だった。MF星雄次が高い位置でボールを奪い返し、長谷川がボールを引き取った。そのままドリブルでボールを運び、切り返しから右足を振り抜き、鮮やかなゴールを決めた。
「最初、(試合の)入りで数的不利だったので、相手をかわしながら打つことを考えていました。相手のDFが一人、食いついてくれたので、かわしてあとは練習どおりじゃないですけど、自分が思い描いていることが全部うまくいきすぎて、それが入りました。あそこにボールを置いたら、あそこに打つのは得意なので、それがうまくいったと思います」と、長谷川は胸を張る。
昨季はルヴァンカップの決勝まで勝ち進んだチームだが、開幕からリーグ戦8試合未勝利と苦戦を強いられてきた。この期間、長谷川にも多くの声が届いていたが、ゴールを挙げた第7節のガンバ大阪戦(3-3)後には自身のインスタグラムで「正味こっからでしょ新潟」と投稿。続くアビスパ福岡戦(0-1)で伏線回収とはいかなかったが、見事に国立競技場で有言実行に向けた第一歩を刻んだ。
試合後にはサポーターと喜び合った長谷川は「そうですね。8試合勝っていなくていろいろ言われたし、ブーイングとか受けて正直イライラしていましたし、オレは言い返していました。けど(サポーターの)気持ちもすごく分かっていたので。今日もヴィッセルさんのホームゲームでしたけど、これだけ多くのサポーターが来てくれましたし、『新潟は国立で勝てていない』と言われていたなかで、そこで勝てたのも嬉しいですし、サポーターの皆様も喜んでくれたんじゃないかなと思います」と、シーズン初勝利であり、新潟にとってはリーグ戦では5戦目にして初(これまでは1分4敗)となる国立競技場での勝利に笑顔を見せた。
それでも、喜んでばかりはいられない。まだ最下位であることには変わりないからだ。長谷川も「たかが1勝なんで。これをまたポジティブに変えていかなきゃいけない。連戦ですし、(次節対戦する)横浜FCもポイントは近いと思うので、そこでしっかり追い越せるように、下からどんどん上がってくしかない。今日の勝ちが無駄にならないようにやっていきたいなと思います」と、ルヴァンカップの松本山雅FC戦を挟んで13日に迎える、11位の横浜FCとのホームゲームを見据えた。