大迫&武藤を完封も「100%勝っていかないとダメ」 大卒ルーキーが描く森保J入り「実現できる」

DF稲村隼翔が4試合ぶりのスタメン出場
アルビレックス新潟にとって未勝利で迎えた4月6日のJ1リーグ第9節のヴィッセル神戸戦は、昨年PK戦の末に敗れたルヴァンカップ以来となる国立競技場での試合だった。アウェーゲームながらもオレンジ色のウェアを着用した多くのファン・サポーターが駆け付け、ホームのような雰囲気のなかで、新潟はJ1で2連覇中の相手を完封して今季のリーグ戦初勝利を掴んだ。
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最終ラインでオーストラリア代表DFジェイソン・ゲリアとともに壁となったのが、4試合ぶりに先発復帰したDF稲村隼翔だった。後半28分でベンチに退いたものの、強烈な個を誇る神戸の攻撃陣を抑えて完封勝利に大きく貢献した。
試合を振り返った稲村は「(会場が)国立で、相手も神戸で、自分たちが勝つにはふさわしい相手だったので勢いをもって入れたと思います。プレーの面で言うと、千葉さんが出ていた試合を上から見ていて、ラインコントロールの部分やボールのさばきのところでも、改めて勉強になったので、そこを意識していました。ジェイソンとは初めて組みましたが、ラインコントロールの部分は本当に意識して続けられたかなと思います」と、欠場していた間に見た元日本代表DF千葉和彦のプレーから学んだことと、ゲリアとのコンビについて手応えを口にした。
この試合のポイントの1つは、FW大迫勇也とFW武藤嘉紀という元日本代表の肩書きを持つ2人をどう封じるかだった。そのタスクを見事にこなした稲村は「1回、前半に競り負けたシーンがあったので。ああいうところは100%勝っていかないとダメ」と反省しつつ、「(大迫について)すごいなと感じたのは、駆け引きの多さです。本当にボールが全然遠くにある時でも、自分との距離を保ったり、駆け引きをしてくるなっていうのを感じたので。ただ、自分も集中できていたので、要所でしっかり押さえることはできていたと思います。その結果が無失点になったのかなと思います」と振り返った。
今年はE-1選手権が開催される年であり、J1でプレーしている選手たちにも日本代表に選ばれるチャンスが広がっている。新潟では特別指定ですでに2年プレーしている稲村は大卒ルーキーだが、「自分はルーキーっていう捉え方はしていません」ときっぱり言い、「(日本代表は)プロに入った時点で目指すところだと思うし、この年代で入っていないと、これから先厳しくなると思ったので、自分が口に出すことで周りからの見られ方もそういうふうになると思いましたし、チームメイトもすごく信頼してくれているので、高い目標ではありますが、実現できるとも思っているので言うようにしています」と、目標を口にする理由を明かした。
とはいえ、チームの成績が伴っていなければ、日本代表入りは遠いことも自覚する。「まずは個人の目標よりもチームの順位を上げていかないと叶わないことだと思うので、本当にチームのためにプレーしたい。そのなかで自分のパフォーマンスをもっと上げて、90分を何試合も続けられるフィジカルもそうですし、頭の中もしっかり整理してやっていきたい」と話した。
第4節まで未勝利だったアビスパ福岡は、神戸戦で勝利を挙げてから5勝1分けで上位争いに転じた。同じ道をたどりたいところだが、稲村は「この勝利は特別だと思いますし、自信にもなります。(長谷川)元希くんが言った言葉じゃないですが、『正味ここから』が今日、実現できたと思います」と、ここからの反撃を誓った。
(河合 拓 / Taku Kawai)