なでしこに逸材が台頭「興味深い」 新体制で無敗継続に手応え「本当に信頼できる」

途中出場でチームを活性化させた松窪真心【写真:柳瀬心祐】
途中出場でチームを活性化させた松窪真心【写真:柳瀬心祐】

ニールセン監督政権で3勝1分

 なでしこジャパン(日本女子代表)は、4月6日にコロンビア女子代表と国際親善試合に臨み、苦戦しながらも試合終了間際に同点ゴールを奪い1-1で引き分けた。勝利を逃したとはいえ、前半終了間際からMF松窪真心が鋭いプレーを見せるなど、若手の台頭も感じられるゲームになった。

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 なでしこジャパンは昨年12月に史上初の外国人監督としてニルス・ニールセン監督が就任。初の活動になった2月の国際大会シービリーブズ・カップでは、昨年のパリ五輪で金メダル獲得のFIFAランキング1位アメリカに勝利するなど3連勝で優勝を飾った。そして、今回が初の国内活動になった。

 そのゲームは立ち上がりからボールを持って押し込みながらもゴールが奪えず、逆に前半35分、コロンビアに終わってみれば試合で唯一になったシュートを決められてしまう。さらに前半終了間際にはFW田中美南が足を痛めプレー続行不可能のアクシデントになったが、そこで投入されたのが松窪だった。

 さらにハーフタイム明けには、前半に足を気にしていたDF北川ひかるに代えDF佐々木里緒が投入されて代表デビューを飾った。昨年のU-20女子ワールドカップ(W杯)ではチームのエースとして君臨した松窪は鋭い動きを見せ、後半16分にはペナルティーエリア内で左足シュートを放つも、相手GKのファインセーブで防がれる。5分後にはこぼれ球に反応してシュートを放つもゴールポストに弾かれた。それでも、後半アディショナルタイムにコーナーキックのこぼれ球から放ったシュートが相手のハンドを誘い、同点のPKにつながった。

 ニールセン監督はスタメン出場のDF古賀塔子も含め「古賀は本当に信頼できるし、松窪は準備がトレーニングから準備ができている。佐々木もトレーニングで素晴らしかった。北川に少し怪我があって入ったが、問題なかったと思う。若い選手も含め良い選手が多いし、興味深い選手も多い」と話す。さらに、「藤野あおばや浜野まいか、谷川萌々子など若くスキルもある選手が多い」と、今回は負傷などで招集外や途中離脱になった選手たちについても言及した。

 松窪は「ヤングなでしこの時とは相手もレベルも違うので、入っていたシュートも入らない。(決定機のシュートは)あまり当たらず、コースも甘かった。タイミングは外せたけど、コースが甘くても強いか、弱くても良いコースなら入ったかもしれない。ちょっとの差だけど、悔しい」と話す。

 一方で、2023年夏からアメリカでプレーする中で呼ばれた代表チームの活動について「この、つなぐサッカーが好きなので、その中に入っていけるのは自分にとっていろいろな学びもあるし、普段やっているのは強い相手も多い。今日は潰される回数も前より減ったかなと思って、そういう成長は実感できた」と、収穫もあったようだ。

 次代の最終ラインを支える候補や、中盤のリーダー、エースストライカーになり得る20代前半の選手たちも次々に台頭してきている。27年の女子W杯、28年のロス五輪を最大目標とするサイクルの中で、中心選手に成長するニューヒロインがどれだけ出てくるかが世界一の奪還という目標に向けても大きなポイントになりそうだ。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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