新体制で無敗継続も…なでしこで浮き彫りになった課題「世界一という目標にも届かない」

コロンビアと引き分けたなでしこジャパン【写真:柳瀬心祐】
コロンビアと引き分けたなでしこジャパン【写真:柳瀬心祐】

ニールセン監督政権で3勝1分

 なでしこジャパン(日本女子代表)は、4月6日にコロンビア女子代表と国際親善試合に臨み、苦戦しながらも試合終了間際に同点ゴールを奪い1-1で引き分けた。先制を許し、下がってしまう相手に対してどれだけ有効な攻撃手段を持てるか、課題の出る試合になった。

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 序盤からボールを支配した日本だが、PK失敗などチャンスを逃すうちに前半35分、相手右サイドのスローインからの流れでクロスを入れられると、FWカルラ・トーレスにヘディングで決められ、コロンビアの初シュートで先制を許してしまった。

 この時間からコロンビアは高い位置からのプレスには出なくなり、日本の攻撃を待ち構える傾向が顕著になった。中盤からゴール前に入ろうというタイミングで守備ブロックに囲まれる形でなかなかゴール前を脅かせなかった。また、ニルス・ニールセン監督が「前半は少し挑戦するような走り込みが少なかった。それは相手を戦いにくくさせなかったと思う」と話すように、前線が止まってしまうような形は目立った。

 フリーでボールを持って前を向くも前線の動き出しがなく、味方に手を広げるアクションもあったMF長野風花は「1人1人が誰かのアクション待ちになってしまう場面があり、もったいなかった。1人が動いても次のスペースに誰も入ってこないことが頻繁にあった」として、「フリーなので何でもできる状態ではあったんですけど、なかなかイメージが共有できていない場面も多かったし、私以外の選手が持っている時もパスコースの豊富さはなかったと思う」と話した。

 そして後半は日本のセンターバックがフリーでボールを持つ場面が多かったが、ドリブルで持ち出すなど相手を動かすようなプレーは少なかった。早い段階でボールを預けられて相手に対応される場面もあった長野は「センターバックのところでかなり時間があったので、運んでこられる場面もあったと思う。時間とスペースの使い方もチームで共有していきたい。こういった相手に対して点が取れないと、これから勝っていけないし、世界一という目標にも届かないと思う。また新しい課題が出た」と、シービリーブズ杯とは違う表情になったゲームを振り返った。

 ニールセン監督は「今回に関して言えば、相手がプレーを止めてくることもあった」と、接触プレーの後に倒れ込んで時間を使うような振る舞いがコロンビアにあったことも要素に挙げた。一方で「コロンビアにとってはやりやすい前半になったと思う。そういう時でも、いかに集中して不必要な失点を防ぐか。パフォーマンスは悪くなかったが、まだまだだなというところ」と、悪いなりにスコアを維持していられなかった点に課題があることも指摘した。

 森保一監督が率いる男子のA代表では、守備を固められる試合の多いアジア対策として超攻撃的な5トップを形成することでワールドカップ(W杯)アジア最終予選を最速で突破した。なでしこジャパンにも今後、同じような課題の解決が求められることも予想される中、ニールセン監督がどのような要素をチームの中で重視していくのかが注目される。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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