土壇場のPK弾「本当に好きじゃない」 GK心理を読み”ど真ん中へ”「絶対に動くなと思った」

高橋はながPKを決めてコロンビアに1-1ドロー
なでしこジャパン(日本女子代表)は、4月6日にコロンビア女子代表と国際親善試合に臨み、試合終了間際に途中出場のDF高橋はながPKを蹴り込んで1-1の引き分けに持ち込んだ。「絶対に動くなと思った」と、GKの動きを読んで中央に蹴り込む度胸を見せつけた。
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前半35分に、この試合唯一のシュートでコロンビアに先制を許したなでしこジャパンは攻めあぐねた。1点ビハインドのまま時間が流れ、後半39分にDF古賀塔子に代え高橋が投入された。最終ラインと最前線のどちらでもプレーできる高橋を、ニルス・ニールセン監督は「今日は得点が必要だった」とFWの位置へ送り込んだ。
そして後半アディショナルタイム突入直後、コーナーキックから生まれたゴール前の混戦で相手GKがボールをこぼすと、MF松窪真心が放ったシュートは相手選手のハンドの反則を誘発。日本にPKが与えられた。「コロンビアの選手がどこかにボールを蹴ってしまって、周りを見た時に誰もいなかったので、『私が決める』と思ってボールを探しにいきました」と、高橋がPKキッカーに名乗りを上げた。
コロンビアのGKキャサリン・タピアは前半にMF籾木結花が蹴ったPKを左に飛んでセーブしていた。試合中にも松窪のシュートを左足1本で弾くなど「乗っている」状態だった。それだけに高橋は「止めに来るだろうと思った。とにかく、時間を掛けて落ち着いてけることを意識しました。絶対に動くなと思ったので、ある程度は決めていたんですけど、籾木選手の途に左に飛んでいたので目線で左に誘って、ど真ん中に決めました」と、相手GKの心理も読みながら、冷静かつ大胆に決めた。
所属の三菱重工浦和レッズレディースでは、1月に皇后杯の決勝、3月にAFC女子チャンピオンズリーグ準々決勝と、タイトルの行方が分かれるプレッシャーの懸かるPK戦を経験し、2回とも成功させていた。高橋は「PKは本当に好きじゃないけど、自分の形を作れば大丈夫だと分かっている」と、笑顔を見せながらPK成功に導くメンタル的な秘訣を話していた。
2月のシービリーブズ杯ではサイドバックで起用されることもあったが、パワーと高さはなでしこジャパンの中でも大きな武器。指揮官は「まず、高橋がチームにいてくれて嬉しい。キャラクターも素晴らしいし違いを作れる」と話し、「次の試合はセンターバックで使おうと思うが、色々なポジションができるので今後は分からない」と、ポリバレントな特性を生かしながら起用する方針を語っていた。