ドンピシャヘッド弾も…VARで幻「あれ、ないっすよ」 泣いた“数ミリ” 「小さい靴履きます」

東京Vの木村勇大【写真:徳原隆元】
東京Vの木村勇大【写真:徳原隆元】

東京Vの木村勇大が見せたダイビングヘッドは取り消し

 なかなかお目にかかれない、ダイナミックなダイビングヘッドは幻となった。4月5日のJ1第9節で東京ヴェルディは、アウェーで横浜F・マリノスと対戦。0-0に終わった一戦は、中2日ということもあって両チームの動きは重く、枠内シュートが横浜FMは2本、東京Vは0本という内容だった。公式記録上はシュートとしても残らなかったが、FW木村勇大が見せたダイビングヘッドは見事だった。

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 観客が沸く場面の少なかった一戦で、東京Vが最もゴールに近づいた場面の一つが前半21分の木村のシュートだ。右サイドにボールを展開した東京Vは、FW染野唯月がゴール前に絶妙なクロスを入れる。これに反応した木村がヘディングで豪快にゴールネットを揺らしたが、オフサイドとなってゴールは認められなかった。

 VARのチェックもしっかり入って確認されたゴールだったが、ミックスゾーンでも木村は「あれ、ないっすよ、オフサイド」と悔しがり、親指と人差し指の間を広げて、「靴がデカかったですね、ちょっと。なんか、こんくらいだけ出ていたみたいに(審判に)言われました」と、天を仰いだ。そして「なので、ちっちゃい靴を履きます」と口にした。

 それだけ会心のゴールでもあった。「アイツ(染野)が(ボールを)持ったら、見てくれているんで。相手が久しぶりに4-4-2で、結構クロス対応の時に間に置きがちというのは、試合のなかで自分でも感じていたので。すごく良いタイミングで要求できて、良いボールがでてきて、ドンピシャで決められましたけど、靴が大きかったので」と悔しがり、「でも、ああいう形になったらできるんだなというのは、自分のなかでも分かったので。あとその半足分のところのポジショニングにこだわって、次に同じようなクロスの場面では、また同じような動き出しをして、最後の数ミリのところにこだわりたいなと思います」と、意気込んだ。

 最前線からの守備でも存在感を示していた木村だが、それだけでは足りないと強く自覚する。「チーム(東京V)の第一は守備なので、そこはやらないと試合に出られなくなる。それをやって良い守備から良い攻撃の形をもっとつくれればいい。なかなかチャンスがないなかでも、ワンチャンスを仕留めないとダメなんで、そのチャンスを少しでも増やせるように、守備をして疲れているなかでも、最後のクオリティを上げるところをもっとやれば、どういう状況でも輝ける選手になると思う。もう一段階、ここから上がるためには、そこだと思うので頑張りたい」と、緑の10番は成長を誓った。

 直近5試合負けなしの東京Vだが、その内容は1勝4分けとあと1点届かない状況が続いている。ここまで8試合7得点と1試合平均1点以下にとどまっている東京Vのなかで、木村がゴールを決められるようになれば、チームの順位も自然と上がっていくはずだ。

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