CL優勝を経験→キャリア初の2部へ「刺激的な戦い」 日本代表18年目のベテランが描く新たな挑戦「楽しく」

なでしこジャパンの熊谷紗希は昨冬に自身初の2部に移籍
日本女子代表(なでしこジャパン)は4月4日、大阪府内でトレーニングを実施。6日に行われるコロンビア女子代表との親善試合に向けて全員で汗を流した。ニルス・ニールセン監督体制の国内初陣でも大黒柱のDF熊谷紗希は君臨。日の丸を背負い、18年目になる34歳は今年からイングランド女子2部のロンドン・シティ・ライオネスでプレー。キャリア初の“2部”で新たな経験を積んでいる。
ニールセン監督の下、なでしこジャパンの選手たちの声が響いた。約2時間のメニューを丁寧にこなし、指揮官が1つの1つのプレーに対して説明する。チームを作り上げる上でやはり熊谷の存在は欠かせない。
「今の時期は本当にトライだと思う。監督がこういうサッカーをしたいといったところで、私たちができるかどうかと言うところも、戦い方も相手によって変わってくる部分がある。なので本当にとにかくやってみること。今回コロンビアとやって、ここからいろんなところとやっていく中でチームの方向性というのも決まってくると思う。いい意味のエラー、それが出るチャレンジをすることが大事」
チャレンジーー。熊谷も新たな挑戦の真っ最中だ。昨冬に2部のロンドン・シティへ移籍。これまでは世界の第一線で活躍し、リヨン時代には国内リーグ、国内カップ戦、UEFA女子チャンピオンズ・リーグの3冠獲得も経験した。女子CL決勝でゴールを決めたこともある。ドイツ、フランス、イタリアとプレーしてきた中で、今年からは海外4か国目、そして2部への挑戦となった。
「戦いの場を変えて、今いるリーグにはそのリーグの難しさがある。昇格レースも1つしか上がれない。そういった中でやっていくこと、2部はどこのチームも圧倒的にドミネート(支配)して試合を運ぶことはあまりできないので、それでも勝ち点3を積まなきゃいけないというのは自分にとっても大きなチャレンジだし、刺激的な戦いになっています」
ロンドン・シティでの環境面は「ローマよりいい」と言い、「ローマが悪いとかではないですけど、2部の中ではかなりいい。どんどん良くなっていく未来しか見えない」と、クラブが描くビジョンに共感する。それは、これからチームを作り上げるなでしこジャパンに共通する点もあるだろう。今は新たな日々を送っている。
「チームの中で求められているものだったりは理解しながらやりますけど、そこもまた楽しいかなと思ったのが1つ決断した理由でもある。楽しくやれています」
なでしこジャパンが臨むコロンビア戦は国内初陣だ。2月のシービリーブスカップでは13年ぶりにFIFA女子世界ランク1位のアメリカを倒し、初優勝を飾ったニールセン・ジャパン。熊谷を中心とした新生なでしこが見せるプレーを心待ちにしたい。
(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)