森保監督が「あえて」W杯優勝を宣言する訳…必要なピースは“バトン力”と“大谷さん”

日本代表を率いる森保一監督【写真提供:時事通信社】
日本代表を率いる森保一監督【写真提供:時事通信社】

W杯出場決定から「次に気持ちは切り替わっている」

 日本代表の森保一監督が3日、都内のホテルで講演を行った。1時間半に及ぶ講演の中で、ワールドカップ(W杯)優勝を公言する“真意”を明かした。

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 3月20日のワールドカップ(W杯)アジア最終予選でバーレーンを2-0で下し、史上最速で8度目のW杯出場を決めた日本代表。森保監督は「試合後はホッとしたというコメントしはしましたけど、実際はそこからもうすぐ次に切り替わっていて。次の活動の時、試合の時、誰を使った方がいいんだろうな、どうやって勝っていこうかなということであったり、大きな目標を持って戦っている中で気持ちは切り替わっているのが、本当の気持ちです」と話した。

“大きな目標”とはW杯優勝のこと。第2期森保ジャパンでは、世界一になることを本気で目指している。まだベスト8にも入ったことがない国がなぜW杯優勝を目標に掲げるのか。「現在でも確率はまだ低いと思いますが、優勝のチャンスが絶対にあるというのは、カタールW杯が終わった瞬間に感じました。ただ本命国として優勝するにはまだまだ時間がかかる。その中で現実を超えるという目標も大切ですけど、最終的に世界一になるには今何をしなければいけないか、どうレベルアップしていかなければいけないかを考えなければ、いつまで経っても世界一にたどり着けないかなと。色んなサッカーに関わってくださる方、JFA組織全体にも、世界一になるために今やっていることがどうなんだろうと考えてもらえるように、あえて言っているところはあります」と真意を明かした。
 
 だからこそ、必要なものも見えてくる。今の森保ジャパンはほとんどの選手が欧州のクラブに所属しており、史上最強の呼び声が高い。だが世界的なスーパースターと呼べる選手はまだいない。今の状況を指揮官は陸上の100メートルに例えて説明した。「(今の選手たちは)個人ではまだメダルは獲れないけど、9秒台には入っている。これは実際に陸上でも起こっていますが、リレーという競技になった時に日本は過去のオリンピックでもメダルを取れています。日本人にはつなぐ繊細さ、相手のことを思いやる、察する、引き出す能力があると思っています。つなぐ力でチーム一丸となって世界に勝ってきたいなと思っています」とチーム力をさらに磨いていくことを語った。

 そしてもう一つは裏返しではあるが、“サッカー界の大谷さん”の出現。「メッシであったり、クリスティアーノ・ロナウドであったり、一昔前で言えば、マラドーナやペレなど本当に力のある11人が集まる。それが1、2チーム分集まって組織が強くなっていくと思うので、選手たちには個々の力を最大限に上げてほしい、チャンピオンズリーグで優勝を狙えるチームにどんどんステップアップしてほしいと伝えています」。その上で、陸上の次は野球に例えて説明。「大谷さんみたいな、野球で言うと大リーグでも突出しているような力がある選手が日本代表として戦ってくれるようになると、ますます日本が強くなるのかなと。今の選手たちもめちゃくちゃレベルが高くなっていますが、さらに上の突き抜けた力をつけてほしいなということはチームで共有しています」と要望した。

(FOOTBALL ZONE編集部・井上信太郎 / Shintaro Inoue)

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