角度なしから豪快ボレー…最強助っ人が“本領発揮” 指揮官も絶賛「狙っていた形」

マテウス・サヴィオの浦和初ゴールにスコルジャ監督「うれしい出来事」
浦和レッズは4月2日のJ1第8節、清水エスパルス戦に2-1で勝利した。複数得点は今季初で、昨年11月のサンフレッチェ広島戦以来のもの。マチェイ・スコルジャ監督は「今日はサヴィオの浦和初ゴールといううれしい出来事があった」と、チームの2点目を決めた今季加入のMFマテウス・サヴィオの一撃に喜びを話した。
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前半4分、清水がDF住吉ジェラニレショーンからサイドに開くDF吉田豊へのパスを選択したところ、サヴィオが良いポジションから読みを利かせてボール奪取。そのまま右サイドに進出すると中央に戻したボールを受けたMF渡邊凌磨が鮮やかな左足ミドルを決めた。「立ち上がりだったから思いっきりシュートを打てたのもあるし、なかなか相手も寄せてくるのが遅かったので打ってみようかなという判断でした」と話した一撃は、第7節まで1勝と苦しんでいる浦和に勇気を与えるゴールになった。
そして後半14分には中央でMF松尾佑介が相手を引き付けて右サイドに開くと、攻撃参加したDF石原広教がクロス。手前で相手選手に当たったボールはファーサイドに流れ、角度のない位置からサヴィオが左足ボレーで叩き込んだ。柏レイソルからの移籍後、まだゴールとアシストのなかったサヴィオにどちらも1つずつゴールに直結する結果が生まれた。
2試合前の鹿島アントラーズ戦が試合終了間際に追いつかれた1-1だったことを踏まえ、指揮官は「例えば鹿島戦も追加点がなかったからこそ追いつかれてしまった。今日はサヴィオの浦和初ゴールといううれしい出来事があった。チームにとって難しい時間帯に決めてくれた。サイドチェンジからのクロスという狙っていた形からだった。清水の選手が触った幸運はあったが、サヴィオが良い位置にいたからこそ生まれたと思う」と、2つの意味での喜びを話した。
2023年に浦和を指揮したスコルジャ監督はJ1最少失点のチームを作り上げた一方、常に得点力不足は課題として挙げられてきた。23年末に家庭の事情で退任し、昨季の途中に再就任して9月以降の指揮を執ったものの10試合で6得点。11月10日に3-0で勝利した広島戦が唯一の複数得点と苦しんだ。
今季は開幕に向けサヴィオのほかにもMF金子拓郎やMF松本泰志らの攻撃的な選手の補強があった。また、2023年に低い位置での守備ブロックで守ることが多かったことも踏まえ、より高い位置でボールを奪うプレッシングに取り組んでいるものの、相手のシステムや戦術によりハマる試合とそうでない試合の波も激しい中で清水戦を迎えていた。
先制ゴールの渡邊は第2節の京都サンガF.C.戦での負傷交代から前節のセレッソ大阪戦で復帰して途中出場。この日が久しぶりのスタメン出場だった。指揮官は「渡邊がいかに我々にとって重要な選手かが感じられたと思う」と、その存在の大きさを語った。
もっとも、ラスト15分から20分は完全に押し込まれる展開になってしまい、セットプレーから追撃弾を許した。渡邊は「あの時間帯での失点、失点の仕方と前後の試合運びは、もちろん勝てたけど修正しないといけない。今日、2点目を取れたのはすごいポジティブ。でも2点取った後に1点取られて、終始攻められていたのが、ものすごい良くないっていう印象」と気を引き締めていた。
ただし、複数得点があったからこそ猛追を受けながらも逃げ切れたのは事実だ。プレッシングの完成度が満足のいくところまで達していないとはいえ、試合数と同じ8失点で乗り切っていることからも、得点数さえ伸びてくれば勝ち点を一気に伸ばすポテンシャルを十分に秘めていると言えそうだ。