救った“急造ストライカー”「もう点を決めるのが仕事」 パリ五輪→A代表へ…23歳が示した可能性

東京ダービーでゴールを決めた佐藤恵允【写真:徳原隆元】
東京ダービーでゴールを決めた佐藤恵允【写真:徳原隆元】

FC東京FW佐藤恵允は初めて1トップで先発

 FC東京は2日、J1リーグ第8節で東京ヴェルディと対戦し、2-2で引き分けた。これで東京ダービーは昨年から3戦連続ドローとなり、お互いの意地を見せた。

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 長い沈黙を破った。1点を追う前半43分、FW佐藤恵允は、ピッチ中央のMF高宇洋からの浮き球のパスに反応。DFラインの裏に抜け出すと、胸トラップから左足で流し込んだ。「練習からヤン(高)くんとこういう形は練習していたので。あのチェックの動きから(DFの)背後を取って、シュートの所も思い描くような形で決められたので良かったです」。チームとして2月26日の名古屋戦で後半アディショナルタイムにMF安斎颯馬が得点を奪って以来5戦ぶり、実に403分ぶりの得点となった。

 東京ではこれまではシャドーで出ることが多かったが、1トップで初めて先発した。「前線からの守備が自分の強みなので、頂点の選手として(プレスの)スイッチになればいいなと思って、今日は入りました」。その狙い通り、前線からプレスをかけて、相手DFにロングボールを蹴らせる場面が何度もあった。アグレッシブな守備からマイボールの時間を増やすことに成功した。

 攻撃面でも2シャドーに入った俵積田晃太、エヴェルトン・ガウディーノと3人の連係で崩す場面が見られた。前半23分、右サイドからエヴェルトンに縦パスが入ると、ダイレクトで佐藤へ。しっかりDFを引きつけて俵積田にパスを送り、1対1を演出したが、シュートは左ポストに嫌われた。「本当にアタッキングサードでの自分達のアイデアだったり、攻撃のパターンは、徐々に練習の成果が出てきているし、すり合わせも良くなっていると個人的には思います」と手応えを実感。得点力に苦しむチームだが、光明は見えてきている。

 この試合は日本代表の森保一監督が視察。7月に韓国で開催される東アジアE-1選手権に向けてチェックした指揮官は「誰がということではないが、若い選手がアグレッシブなプレーをするという部分では、トライする、チャレンジする姿勢を感じられていいなと。今後が楽しみだなと感じられました」と佐藤をはじめ若い選手が躍動したダービーの印象を語った。パリ五輪に出場した23歳も、この日のようなプレーを続けていけば、十分にA代表入りのチャンスはある。

 だからこそ、反省は尽きない。後半2分にも俵積田、エヴェルトンとの崩しから決定機を迎えたが、シュートは枠の上に外れた。「やっぱり僕が2点、3点取って勝たないとダメですね。もう自分は点を決めるのが仕事なので、そこを全うしてチームが勝てれば一番いいので」。怪我から4戦ぶりに復帰したFWマルセロ・ヒアンが後半15分から出場しており、今後も佐藤が1トップで起用されるかは不透明。それでも東京の新たな“武器”となる可能性を示した。

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