名古屋を連勝に導いた立役者 チームに流れる“良いサイクル”「は?とか言う選手は絶対にいない」

横浜FM戦で追加点を決めた佐藤瑶大【写真:柳瀬心祐】
横浜FM戦で追加点を決めた佐藤瑶大【写真:柳瀬心祐】

名古屋DF佐藤瑶大は1ゴールを決め横浜FMを完封

 名古屋グランパスは4月2日、Jリーグ第8節で横浜F・マリノスと対戦し2-0で勝利を収めた。この試合で名古屋DF佐藤瑶大は、相手エースFWを完封するだけでなく貴重な追加点を奪いMVP級の活躍を見せた。

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 名古屋は前節、開幕7戦目にして今季初勝利を挙げて、連勝を目指しホームに横浜FMを迎え撃った。名古屋は3-5-2システムを採用しマンマークでボールを取りに行く作戦を敢行。ボールを保持されても慌てることなく対応した。

 そのなかでも佐藤は際立っており、相手エースFWアンデルソン・ロペスに対して、パスが入るや否やまずは激しくぶつかりに行く。跳ね返せる時は先にボールに触り、収められてもファール覚悟で前を向かせない対応をした。そして相手の長所を消し、幾度となくボール奪取を見せ攻撃の芽を摘んでいた。

「相手のシステム上、僕たちのシステムががっちり合うところだったので、マンツーマンのところが増えるんですけど、僕はA・ロペスに対しての対応と、逆サイドのSBの絞りっていうところは意識していた」と語り、「いうても結構ボール入っちゃってるなっていうところもありましたし、それこそ前向かれてシュートみたいなところはなかったと思うんですけど、もっと潰し切る準備っていうのは、今日の試合で反省しないといけないかなと思います」と、エースを封じたなかでも改善点をあると語った。

 試合は0-0の後半立ち上がり6分、セットプレーの流れから最後はDF河面旺成が押し込んでJ1初ゴールを記録。さらに後半39分には佐藤が魅せた。「なんか来そうだなっていうのは正直あった」と語るように、MF森島司の右からのコーナーキックに飛び込み頭で合わせ豪快に叩き込んだ。

「マテウスのボールがちょっと難しいなと思ってたんで、アウトスイングで森島さんに変わってから、なんかちょっと来そうだなと思ってたん。わざと動かないでボールに合わせようと思ってたんでそれが功を奏したというか、まあ決めれてよかったなと思います」

今季初のクリーンシートは「みんな意識してた」

 名古屋は開幕から6戦目まで勝利がなく、7戦目の前節・横浜FC戦で初勝利(2-1)。しかし開幕からなかなか3バックのメンバーを固定できず、毎試合出る選手や組み合わせが変わり、さらに佐藤も得意の真ん中ではなく右CBで出場することもあった。横浜FC戦での3バックは左から河面、佐藤、野上結貴の並びで、横浜FM戦も同じ並びで挑んだ。

「がみ君(野上)も旺くん(河面)も前に対して強く行ってくれるので、僕はカバーすればいいだけというか、なんかもう本当に今やりやすくやらせてもらってる」と1つ1つ積み上げていけていると佐藤は感じていた。

 開幕から点は取れるけどそれ以上に取られるという試合が名古屋は続いており、未勝利の6戦で14失点と守備が崩壊。前節も初勝利を挙げたが、終了間際に失点をしてクリーンシートを逃していた。

「みんな意識してたところだと思っていますし。ダン君(シュミット・ダニエル)からしっかり声かけもありました。中盤の祥君(稲垣)だったり、椎君(椎橋)も厳しい声かけを試合中もしてましたし、チーム全員で掴み取ったゼロかなと思います」と無失点を意識していたと振り返った。

 さらに「戻るスピードもみんな速いじゃないですか。僕も体感的に速いなって思うのと、戻るべきところだし、みんなそれぞれカバーし合うっていう意識が今あると僕は思うので。それで、一個ボールが下がるとライン上げろって言われますし、サボってると。逆に僕もサボってる選手がいたら言いますし。みんななんか言われたから『は?』とか言う選手も絶対にいなくて今。みんながちゃんとやっているので、いいサイクルだとは僕思います」と充実感を明かし、リーグ戦初のクリーンシート達成に手応えを感じていた。

 昨季まで3CBの真ん中でプレーしていたDF三國ケネディエブスからポジションを奪いつつある佐藤。このまま3センターの真ん中で安定した守備を見せ、さらに得意であるロングボールを駆使してより攻撃のタクトを振るうことができれば、鉄壁のディフェンスリーダーとなれるはずだ。26歳の今後の成長から目が離せない。

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