森保Jに同クラブ出身の6人「まさにカンテラ」 日本代表OBも驚き…共通する特徴とは?【見解】

【専門家の目|太田宏介】活躍する三笘、守田、田中ら…川崎出身選手たち
森保一監督が率いる日本代表が、2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選で圧倒的な強さを見せ、開催国を除く“世界最速”での本戦出場を決めた。積み上げてきた選手たちの功績を振り返りつつ、元日本代表DF太田宏介氏は“1つの特徴”に気付き「まさにカンテラですよ」と驚きを示している。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)
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森保監督は2017年10月から東京五輪を目指すアンダー世代の日本代表監督に就任すると、2018年7月には兼任する形でA代表の指揮官にも就く。2022年カタールW杯ではドイツ、スペインと強豪を破る快進撃を見せ、日本はベスト16の成績を残した。
その後2026年北中米W杯までの続投が決定。アジアカップ2023はタイトルを逃したものの、W杯アジア最終予選ではここまで8試合負けなし(6勝2分け/勝ち点20)で他国を圧倒し、すでにW杯本戦への切符を手にしている。
東京五輪世代、A代表を同時に見てきた森保監督が選んできた選手は数知れない。太田氏は「今は年齢層のバランスがすごく良いです。若い選手も入ってきているなかで、北中米、またその次のW杯でもピークに持っていけるようなフェーズに入っているのではないでしょうか」と、その手腕を称える。
一方で、常連となっている選手たちの特徴についても言及。「W杯のスペイン優勝の時代以降、日本でもジュニア世代から“ポゼッション”という言葉が目立つようになったと思います。そういった育成の賜物が今の代表につながっているのではないかな」。その主たる例として川崎フロンターレのクラブ名を挙げた。
「パッと思ったのですが、今の代表にはフロンターレの選手が多いですよね。フロンターレってジュニア世代からトップまで育成年代から同じサッカーを継続していて、高井(幸大)選手のように、プロに上がってもすぐチームスタイルにフィットできています。旗手(怜央)選手や三笘(薫)選手も、そのスタイルが継承されたままそれぞれの環境で育って、代表に入っていますね。すごいとしかいいようがないです」
3月シリーズで招集された選手に限れば、川崎出身の選手は高井、旗手、三笘、田中碧、板倉滉、守田英正の6人。また、久保建英も川崎のジュニアユースに在籍していた経歴を持つ。現在は怪我で離脱中のため、今回招集外となった谷口彰悟も川崎で名声を築き、海外へ挑戦している。
「まさに(バルセロナの)カンテラですよ」と、太田氏はこうした育成から代表選手を輩出している川崎の功績を表現する。スペイン1部FCバルセロナの下部組織(=カンテラ)のような育成が、日本にも根付きつつあることを喜んだ。
また、こうした選手たちは「ポリバレント性が高い選手が多い印象ですね」と才能を絶賛。さまざまなポジションをこなす器用な選手が多いからこそ、スタメンや陣容の選択肢も複数考えられる利点もある。森保ジャパンの進化には、こうした日本サッカーの成長も背景にあるのかもしれない。
(FOOTBALL ZONE編集部)

太田宏介
太田宏介(おおた・こうすけ)/1987年7月23日生まれ。東京都出身。FC町田―麻布大学附属渕野辺高―横浜FC―清水エスパルス―FC東京―フィテッセ(オランダ)―FC東京―名古屋―パース・グローリー(オーストラリア)―町田。Jリーグ通算348試合11得点、日本代表通算7試合0得点。左足から繰り出す高精度のキックで、攻撃的サイドバックとして活躍した。明るいキャラクターと豊富な経験を生かし、引退後は出身地のJクラブ町田のアンバサダーに就任。全国各地で無償のサッカー教室を開校するなど、現在は事業を通しサッカー界への“恩返し”を行っている。