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ドイツ人が驚いた日本サッカー「でも一番違うのは」 来日3か月…指導者が感じた熱量

「コパ・トレーロス2025」で日本と台湾の合同チームを率いたザウアーさん
静岡県御殿場市で3月27日から5日間、ジュニア年代の国際大会「コパ・トレーロス2025」が開催された。国内強豪のほか海外クラブも招待され、U-12とU-11の部それぞれ40チームが参加。その中で日本と台湾の合同チームとして参戦した「ファンルーツ・グローバル」を、ドイツから来日した指導者が率いた。
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ファンルーツ・グローバルは、大会を主催するファンルーツ・アカデミーと台湾から参加した新竹コスモスユナイテッドの合同チーム。2010年にコパ・トレーロスを立ち上げた株式会社ファンルーツ代表取締役社長の平野淳氏が、このチームに期待する目的を説明してくれた。
「サッカーを通じて、日本と外国の子供たちが交流する場を作りたいと思いました。言葉が分からなくても、サッカーのゴールという目標があれば、チームは作れるのではないかなと。今回はドイツ人のコーチに台湾と日本の子供たちの融合チームをまとめる役割をお願いしました」
このような経緯で大役を任されたのは、マルクス・ザウアーさん。アマチュアリーグの選手としてプレーしていたが、若くして指導者の道へと進んだ。ハンザ・ロストックでインターンシップを経験し、1・ユーゲント・フースバル・シューレ・ケルンのアカデミーでアシスタントコーチを務めているという。
今年の1月には、平野氏との縁もあって初来日。3か月間、インターンシップという形で指導に当たる。ザウアーさんは「個人の選手で香川真司や堂安律は知っていましたが、日本のサッカーのことはあまりわからなかったです。ただ日本に来てからJリーグを見に行ったり、少しだけわかってきました」と話す。
そのなかで気づいたのは、プロでも育成年代でも「日本の選手はテクニカルなところのレベルが高い」ということ。「でも一番違うのは、ドイツでもそういう技術は教えていますけど、それよりもメンタリティーとかが強いです」と教えてくれた。
「例えば試合だったら、どうしてもこの試合に勝つとか、気持ちの面でドイツの子供たちはすごくモチベーションが高いです。ただ、日本の子供たちを見ていると、そこに対してのモチベーションがすごく低いというか、絶対に勝つぞという気持ちが少ないのはあると思います」
今大会で担ったのは、日本と台湾の合同チームをまとめるという難しいミッション。「はじめはやはりコミュニケーションのところでなかなかうまくできなかったですけど、やっていくうちにだんだん良くなってきて、日本語や英語でコミュニケーションを取るようになりました」と子供たちの成長に目を丸くする。
「例えばゴールキーパーが台湾の子だったんですけど、その子が日本語で指示を出したりとかそういうのも出てきました。この短期間だったんですけど、このようなチームを作ったことで、お互いにしっかりといい関係を築けるようになってきました」
結果は40チーム中39位だったが、最後の試合では見事に1-0で勝利。ザウアーさんも貴重な経験を胸にドイツへと帰る。「日本人は本当に親切で、はじめの1週間は何もわからないなかで、他のコーチたちが大丈夫って常に声をかけてくれました。あとは東京の街もすごく綺麗で、夜もきらびやかでした。また日本に戻ってきたいです」と笑顔を見せた。
(FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大 / Keita Kudo)