58歳カズが復帰間近? 低迷チームの「起爆剤」となるか…監督示唆「カズのゴールで勝ちたい」

アトレチコ鈴鹿の山本富士雄監督と、サポーターのサインに応じた三浦知良【写真:荻島弘一】
アトレチコ鈴鹿の山本富士雄監督と、サポーターのサインに応じた三浦知良【写真:荻島弘一】

青森戦でカズはベンチ外

 アトレチコ鈴鹿FWカズ(58)のプロ40年目の開幕が近づいた。鈴鹿は3月30日、JFL第4節でラインメール青森と対戦。コンディション不良で出遅れていたカズはこの日もベンチ外だったが、山本富士雄監督は0-0で終わった試合後、先週チーム練習に合流したカズについて、近いうちに起用したい考えを明かした。

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「シュート練習は、やっぱり一番うまいですよ」と山本監督はカズの状態が上がっていることを喜んだ。2月のチーム合流時は調整の遅れから完全に別メニューだったが、今月9日のリーグ開幕時には部分的にチーム練習に合流。「3月中には戻れる」と話した通りに先週には完全合流、試合前日の29日もフルメニューをこなしたという。

 山本監督は「まだ本人と細かな話はしていない」としながらも「カズのゴールで勝ちたい」と話し「次節かその次、どちらもアウェーですけど」と、4月5日のブリオベッカ浦安戦(柏の葉)か同13日のいわてグルージャ盛岡戦(いわスタ)での起用を示唆した。

 もっとも、カズ自身は復帰時期については明言せず「焦ってはいない」と慎重な姿勢。コンディションが万全でない中で復帰して再び筋肉系の故障をすれば、さらに戦線離脱が長期になる。回復に時間がかかることが分かっているからこそ、慎重にもなる。

 復帰のタイミングや起用法など本人と話し合うことになる山本監督は「そこは任せています。大ベテランなので」と全幅の信頼を寄せた。アウェーの連戦後、20日には四日市で飛鳥FCとのホーム戦。5日、13日が難しければ、ホームで復帰となる可能性もある。

 この日の試合は、カズが「サッカーにならなかったね」というほどの強い風とピッチ状態の悪さで、痛み分け。堅いピッチで不規則にボールが弾み、浮き球は強風にあおられた。ともにパスをつなぐことを放棄し、蹴り合いになる場面も。青森の原崎政人監督が「ゲームプランが吹っ飛んだ」と話した通りの試合になった。

 それでも、山本監督は「これまでで一番、戦う姿勢は見られた」とここまで無敗の青森と引き分けたことを評価。シュート数も青森5、鈴鹿3とともに攻めあぐねたが「無失点に抑えたことはよかった」と粘り強く戦った選手たちをねぎらった。

 1勝2敗1分けと黒星先行の鈴鹿は4試合を終えて16チーム中12位。J昇格を目指して山本監督やクラブが「起爆剤」と期待するのがカズの存在だ。試合後、ズラリと並んだサポーターのサインの求めに応じた58歳。鈴鹿に勢いをもたらすのは、プロ40年目のシーズン開幕なのかもしれない。

(荻島弘一/ Hirokazu Ogishima)

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荻島弘一

おぎしま・ひろかず/1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者として五輪競技を担当。サッカーは日本リーグ時代からJリーグ発足、日本代表などを取材する。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰。20年に同新聞社を退社。

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