185cmの逸材DF「自分でもまさか」 強豪校Cチーム→U-18代表初招集…急成長を遂げた訳

U-18日本代表に青森山田DF月舘汰壱アブーバクルが初招集
3月14日から17日まで福島県のJヴィレッジで行われたJヴィレッジカップ2025。3位に終わったU-18日本代表において、1人の初代表選手が大きな経験を積んだ。
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日本とアフリカ大陸のブルキナファソにルーツを持つ185cmの大型CB月舘汰壱アブーバクルは、1年前まで青森山田のCチームにいた選手だった。青森山田はトップチームがプレミアリーグEAST、セカンドチームがプリンスリーグ東北、サードチームが青森県リーグ1部に所属。月舘はシーズン開幕時、県リーグでプレーをしていたが、そのサイズ感と身体能力の高さに加え、コツコツと努力ができる性格が評価され、5月にBチームに昇格した。
プリンス東北第6節の聖和学園戦では途中出場でプリンスデビューして1ゴールをマークすると、次節の尚志セカンド戦で初スタメンを掴み、そこからセカンドチームのCBとしての信頼を得た。しかし、トップチームの壁は分厚かった。プレミアEASTには登録すらされず、選手権はメンバー登録こそされたが、ベンチ外だった。
「悔しい気持ちはありました。でも、僕は日々の練習で球際1つにこだわったり、ヘッドを磨いたり、プレー以外でも挨拶や礼儀などの人としての部分も意識してやっているので、青森山田で成長できている実感はありました」
新チームが立ち上がるとトップチームの守備の要としての役割を与えられた。ここまでは彼の思い描いていたとおりだっただろう。しかし、年代別日本代表選出の一報は全く予想していなかった。
「正直、自分でも『まさか』と思いました。驚きましたが、ピッチ外の面も含めて、期待されての選出だと思っているし、僕は失うものは何もないので果敢にチャレンジしたいと思って臨みました」
課題が見つかった初の代表期間
試合では打点の高いヘッドと長いリーチを生かしたボール奪取と身体の寄せなど、前に強い部分は披露できた。だが、「焦ってしまって、ポジショニングが高かったり、低かったりして、まだ不安定だと感じた」と、GKからのビルドアップの面では戸惑いを見せていた。
「足りない課題がたくさん見つかりました。改めて感じたのは高いレベルの経験を積んでいかないと、自分が望む場所には立てないということ。今年はプレミアリーグで高いレベルの相手と真っ向から戦って、ゼロに抑えていきたい」
個人としての成長を痛感するとともに、当然、高校サッカーの雄・青森山田としてのプライドもある。
「青森山田は勝たないといけないなかで、東北新人大会では準々決勝敗退。しかも尚志に4失点もして、本当に責任を感じています。プレミアで同じ失敗を繰り返さないためにも、CBとして守備を安定させるために、この代表で学んだことを個人的にだけではなく、チームにも還元していきたいと思います」
責任感は人一倍。かつ彼のパーソナリティー的に自分が青森山田において絶対的な存在であるとは一切思っていない。
「代表でいない時期、チームのみんなは開幕に向けて全力でトレーニングに取り組んでいる。力のある選手はたくさんいて、チームに帰ってからまた激しい競争が待っているので、謙虚に自分と向き合いながら、スタッフの話をしっかりと聞いて努力していきたいです」
シンデレラストーリーを描こうとしている逸材CBは、しっかりと地に足をつけて、その一歩を力強く踏み出している。
(FOOTBALL ZONE編集部)