森保Jで試したい…3月招集外タレント厳選 激戦メンバー争い、“下剋上”狙う候補者たち【コラム】

日本代表で試したい3月招集外タレントをピックアップ【写真:徳原隆元 & GettyImages】
日本代表で試したい3月招集外タレントをピックアップ【写真:徳原隆元 & GettyImages】

6月シリーズ招集に期待の懸かる選手たちを紹介

 森保一監督率いる日本代表は、北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選のバーレーン戦で2-0と勝利し、世界最速で予選突破を決めた。続くサウジアラビア戦では相手の極端な守備シフトに攻めあぐみ、結局スコアレスドローとなってしまったが、改めて引いた相手からどう得点を奪うかというテーマを突き付けられた格好で、考え方次第では良い教訓と言える。

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 今回は最終予選を戦ってきたFW小川航基(NECナイメヘン)やDF町田浩樹(ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ)が怪我で招集できなかったり、バーレーン戦にスタメン起用されたFW上田綺世(フェイエノールト)とMF守田英正(スポルティング)が、怪我でいち早くチームを離脱したり、MF三笘薫(ブライトン)がサウジアラビア戦の直前に練習を欠席したりと、この活動期間でもあらゆるアクシデントに直面した。そして常連メンバーも所属クラブで継続的に出番があったり、なかったり、そうした状況も本大会に向けてさらに選手層を広げることの重要性を物語っている。

 すでに予選突破が決まったと言っても、6月の2試合はW杯抽選会のポット分けの基準になるFIFAランキングを考えても、2連勝が求められる。しかし、フレッシュな選手をテストするチャンスでもあり、この段階で森保監督の目に留まったタレントを招集しておくことで、9月の北米遠征を含む6つの強化試合にもつながってくるだろう。Jリーグで活躍する国内組は7月に韓国で予定されるE-1選手権でチャンスを得ることになりそうだが、6月シリーズに食い込んでくる選手がいれば、ラスト1年に向けて期待が膨らんでいく。

 今回は初招集もしくは最終予選に一度も呼ばれていないタレントから、6月招集に期待の懸かる選手たちを紹介したい。

 GKでは小久保玲央ブライアン(シント=トロイデン)が有力だ。所属クラブが現在、2部降格危機にあり、ここからプレーオフを戦うことになるが、パリ五輪の守護神を経験した小久保は鈴木彩艶(パルマ)に良い意味で危機感を与えられる同年代のライバルでもある。最終予選は鈴木をはじめ大迫敬介(サンフレッチェ広島)と谷晃生(FC町田ゼルビア)の3人が継続して招集されており、練習のルーティンが確立されているところもあるが、新たな競争を入れていく必要はあるだろう。

 最終予選は3バックをベースに戦ってきたが、6月シリーズで4バックに一度戻すというのも有効だろう。本大会のメンバーは3バックも4バックもこなせる選手たちで構成されるはずだが、4バックのほうがオーソドックスに持ち味を発揮しやすい選手もいる。例えばDF毎熊晟矢(AZ)は右サイドバックで出続けており、ウイングでもプレーできる。3バックなら右ウイングバックでMF堂安律(フライブルク)やMF伊東純也(スタッド・ランス)といった攻撃的な選手と争うことになるが、サイドバックのポジションからの加速力を生かした攻撃参加はほかの選手にない魅力がある。

広島の大卒ルーキー中村草太にA代表入りチャンスは十分

 左サイドではポーランドで活躍中のDF森下龍矢(レギア・ワルシャワ)を再評価したい。昨年1月のタイ代表戦を最後に森保ジャパンには呼ばれていないが、欧州での評価は着実に高まっているようだ。元々サイドバックだが、欧州カンファレンスリーグでベスト8に進出した自チームで、左サイドハーフで起用されており、仕掛けに磨きをかけている。運動量や守備のデュエルでは三笘やMF中村敬斗(スタッド・ランス)にはない強みを出すこともできるだけに、左ウイングバックでも面白いが、4バックであればサイドバックとサイドハーフの2ポジションで起用できる。

 国内組ではDF古賀太陽(柏レイソル)、DF中野就斗(サンフレッチェ広島)、DF岡村大八(FC町田ゼルビア)、DF佐々木旭(川崎フロンターレ)などが、DF高井幸大(川崎フロンターレ)とともに招集されてもおかしくないが、6月シリーズのすぐあとにあるE-1選手権を考えて、森保監督がどう判断していくか。ここでDF橋岡大樹(ルートン・タウン)が復帰してもおかしくない。長い離脱から戦列復帰したDF角田涼太朗(コルトレイク)も小久保のシント=トロイデンと同じくベルギーの残留プレーオフを戦うが、ここで一気に状態を上げてくれば代表復帰も視界に入ってくるだろう。

 ボランチはドイツで評価を上げるMF佐野海舟(マインツ)の招集がどうなるか、引き続き注目されそうだが、もう1人気になるのはMF岩田智輝(バーミンガム)だ。現在イングランドの3部に当たるリーグ1が主戦場となっているが、首位を走るチームの押しも押されもせぬ中盤の柱であり、スーパーミドルを決めるなど、7得点2アシストと攻撃力も見せている。森保監督も高く評価するチャンピオンシップ(イングランド2部)が来季のステージになるのか、さらに上に引き上げられるのか不明だが、日本代表のメンバー外では佐野と並び、今最もホットなMFの1人だ。

 その一方でMF伊藤敦樹(ヘント)も、浦和レッズから移籍したベルギーの名門で、レギュラーの座をガッチリと掴んでおり、高さという貴重な武器を考えても、本番仕様のチームに加えて行ければ効果的だろう。現時点で森保ジャパンのボランチはキャプテンのMF遠藤航(リバプール)を筆頭に守田、MF田中碧(リーズ)の3人で固まっており、パリ五輪世代から選ばれているMF藤田譲瑠チマ(シント=トロイデン)も3月シリーズの2試合で出番を得ることはできなかった。

 シャドーのMF鎌田大地(クリスタル・パレス)やMF旗手怜央(セルティック)もポリバレントな起用は可能だが、主力の3人を脅かす4人目の台頭は欠かせない。それが誰になるのか。国内組ではMF田中聡(サンフレッチェ広島)やMF川辺駿(サンフレッチェ広島)といった選手もいるが、上記の選手のほかにもチャンピオンシップで抜群の機動力を発揮するMF瀬古樹(ストーク・シティ)など、これだけ欧州組のボランチが充実しているなかで、E-1選手権のほうに回るかもしれない。

 アタッカーでは順当ならスペイン1部で奮闘するFW浅野拓磨(マジョルカ)が怪我から復帰し、直近のリーグ戦3試合で2得点を奪うなど、復調していることから再度チャンスを与えられるのではないか。その一方で、パリ五輪世代の10番であるMF斉藤光毅(クイーンズ・パーク・レンジャーズ)が調子を上げてきている。田中の所属するリーズとの試合では幸先よくゴールを決めながら、後半アディショナルタイムに一発退場という厳しい経験をしたが、固定的になってきている森保ジャパンの2列目に新風を吹かせる存在になるかもしれない。

 国内組で筆者が非常に面白いと感じているのが大卒ルーキーのFW中村草太(サンフレッチェ広島)だ。運動量とスピードがあり、駆け引きも上手い。決定力に加えて、ラストパスのセンスもある。ジョーカー的な役割であれば、すぐA代表に入っても違いを出せそうだが、やはり7月のE-1選手権が最初のアピールの場となるのが順当だろう。

(河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji)

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河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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