欧州行き増加…なでしこの「基準がすごく高い」 浦和組が決意、国内リーグの“希望”へ「チャンスだ」

浦和Lの高橋はな(左)と遠藤優【写真:轡田哲朗】
浦和Lの高橋はな(左)と遠藤優【写真:轡田哲朗】

浦和Lから最多タイの3人選出「国内から選ばれて良かったねで終わらないようにしたい」

 なでしこジャパン(日本女子代表)は、3月27日に来月6日の国際親善試合コロンビア女子代表戦のメンバー発表を行った。今回はWEリーグから9人が選出されたが、三菱重工浦和レッズレディースのDF高橋はなは「国内から選ばれて良かったねで終わらないようにしたい」と決意を語った。

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 ニルス・ニールセン監督は「今は多くの選手を試したい。WEリーグも現在はシーズン中で問題ないだろうということで選んでいる」として、23人のメンバーリストのうち9人がWEリーグの所属選手になった。なかでも浦和とサンフレッチェ広島レジーナから最多タイの3名ずつが選出され、浦和から選出の高橋とDF遠藤優が取材対応を行った。

 昨年10月に日本サッカー協会(JFA)女子委員長の佐々木則夫氏が監督代行を務めた際に初選出されて以来のメンバー入りとなった遠藤は「今回は新監督にしっかり選出していただいたので、これはアピールのチャンスだぞと思っている」と意気込む。また、2月のシービリーブズ杯に続く選出の高橋は「基盤を作る意味でも、最初に作る基準が大切になると思う。海外でプレーする選手が多い中で、求められる基準がすごく高くなっている。そこを上げていかないと、世界も女子W杯や五輪に向けて進化していくと思う」と、重視する点を言葉にした。

 浦和はこれまで高橋のほかにもGK池田咲紀子やMF猶本光ら、多くの代表選手を輩出してきた。遠藤は「(活動中に)代表選手が抜けると、練習の強度が落ちる。海外にいる選手も国内にいる選手も基準が高いところでプレーをして帰ってくるので、代表選手がいるとプレースピードが上がると感じてきた」と、実感を込めて話す。

 また、高橋も「世界で感じたもの、代表で得たものをいかにチームに還元できるかは、チームの成長や若い選手への刺激にも関わってくる。代表を経験することは、WEリーグにとっても大切なことだと思う」と、その影響力の大きさを語った。

遠藤も気概示す「国内でもこれだけ成長できるんだと」

 男子代表と同様に海外でプレーする選手が主体になるのは、現在のサッカー界を俯瞰すれば自然の流れだ。しかし、国内リーグの充実は各国のサッカーの基盤であり、特に女子サッカーの場合はまだまだプロリーグの歴史が浅く、発展させていく必要がある。

 それだけに、遠藤は「国内でもこれだけ成長できるんだと、それを選出されることで示すことができると思う。日本国内でやっている選手として、これだけ戦えるというのをアピールしたい」と話し、高橋も「国内から選ばれて良かったねで終わらないようにしたい。WEリーグの選手が世界の基準に対応できるというのをプレーと結果で見せることができれば、リーグ全体にも希望を与えられると思うので、責任も感じながら覚悟を持って臨みたい」と、国内から選出される選手が果たすべき役割について話した。

 ニールセン監督が指揮するチームとして初の国内活動と試合になるが、代表チームから得るものを国内女子サッカーとWEリーグの発展にも生かしていきたいところだ。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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