森保Jが克服すべき“レアケース” 「かなり有効だと思う」…代表OBが考える“打開策” 【見解】

森保Jに必要な引かれた相手への対策とは?【写真:ロイター】
森保Jに必要な引かれた相手への対策とは?【写真:ロイター】

【専門家の目|太田吉彰】サウジ戦はスコアレスドローで終わった

 森保一監督率いる日本代表は3月25日、2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選サウジアラビア戦を0-0で終えた。最終予選で初の無得点に終わったが、何が必要だったのか元日本代表MF太田吉彰氏に聞いた。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

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 日本はバーレーン戦でW杯出場を決め、サウジアラビア戦ではスタメンを6人入れ替え挑んだが、5-4-1の形で引いてきた相手を崩せず。2022年11月27日のコスタリカ戦(0-1)以来の無得点で終わった。

「サウジが引いてくるのはかなりのレアケース。選手も口々にかなりびっくりしたと言ってましたけど、日本がそれだけリスペクトされ、実力がかなり上がってきたなという印象がありますね。あそこまで引くのはなかなかレアなのかなって正直思いました」と太田氏は振り返り、試合後に伊東純也も「こんなに引いてくるのは初めてでちょっとビックリ」と言うように面を食らったと語った。

 それでも日本は前半9分、DF高井幸大の鋭い縦パスから、MF田中碧がさらにFW前田大然へスルーパスを供給。前田のシュートはポストに直撃しゴールこそならなかったが、サウジアラビアゴールを脅かした。

「前田選手のシュートがポストに当たった時はよりスピーディーにいけてましたから、ボールポゼッションするなかでも縦パス2本、そういった速い攻撃ですかね。そこがかなり有効だと思いますし、サイドから何本も突破してましたから。サイドは数的同数になる可能性も非常に高いので、ドリブル突破からのクロスそういうところで、最後のところがちょっと合わなかったですけど、そういったところで確実にゴールに結びつけていくことが必要なのかなというところが感じますね」と、引かれた相手に必要なヒントは前半のチャンスにあったと言及している。

「だから攻守において緩急、速さ、ゆっくりボールをつなぐなかでも、そこからのスピードアップ、テンポアップところが重要かなと。あれだけ引かれるとクロスはなかなか合わないことはありますからね。数を上げることっていうのと相手が揃う前に上げる、上げきることもすごく重要になってきます。早い段階で相手がうしろ向きの状態でクロスを上げていくプレーもやっていけたらいいんじゃないかなとは正直思います」

 アジアの中では日本は実力が抜きんでており、引かれ場面も見受けられるが、その際の打開策が必要だと指摘する。W杯本大会や、格上相手だと受けに回ることもあるものの、引いた相手の崩し方は今の日本代表の課題の一つではあるのは明白だ。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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太田吉彰

おおた・よしあき/1983年6月11日生まれ、静岡県出身。ジュビロ磐田ユース―磐田―仙台―磐田。J1通算310試合36得点、J2通算39試合4得点。トップ下やFW、サイドハーフなど攻撃的なポジションをマルチにこなす鉄人として活躍した。2007年にはイビチャ・オシム監督が指揮する日本代表にも選出。2019年限りで現役を引退し、現在はサッカー指導者として子どもたちに自身の経験を伝える活動をしている。

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