一発退場、数的不利でもPK戦へ 21歳FW「プロで初めて」「楽しかった」…激闘で反撃の狼煙

大宮のオリオラ・サンデー【写真:Getty Images】
大宮のオリオラ・サンデー【写真:Getty Images】

1人退場の苦戦もRB大宮がサンデーの活躍もありPK戦の末勝利収めた

 笑顔と「楽しかったですよ」という第一声が充実を表していた。RB大宮アルディージャは3月26日に行われたルヴァンカップ1回戦でいわきFCと対戦。すでに1点リードされたなかで前半32分に退場者を出す苦しい展開になりながらも、10人で延長戦を含めて3-3の同点に持ち込み、PK戦を7-6で制して2回戦進出を決めた。冒頭のコメントを発した元U-15ナイジェリア代表FWオリオラ・サンデーは、反撃の狼煙となるゴールを前半40分に記録し、先発出場の期待に応えていた。

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 途中出場してJ2初ゴールを挙げた水戸ホーリーホック戦(2-0)から中3日、サンデーは先発起用される。前半16分に先制ゴールを許すと、同32分には相手と競り合ったDF村上陽介が一発退場の判定を受けて数的不利になる。チームメイトが守備を固めるなか、最前線に残る形となったサンデーはボールを収めて、味方の攻め上がる時間を作り、自らもチャンスではゴールを狙っていった。

 迎えた前半40分、数的不利を感じさせない攻撃を見せた大宮は、いわきの守備を崩して右サイドからFWカプリーニがクロスを入れる。このボールをサンデーがヘディングで合わせ、ルヴァン初ゴールを決めてチームを同点に導いた。

 後半もいわきにリードされた大宮だったが、後半44分にはDF浦上仁騎が同点ゴールを決めると、延長前半9分には途中出場のFW富山貴光が逆転ゴールを記録。その3分後には同点に追い付かれたが、サドンデスに突入したPK戦でGK加藤有輝が2本のシュートを止め、大宮が7-6で勝利した。

 流ちょうな関西弁を操るサンデーは「1回戦やけど、でも楽しかったです。自分たちは自分たちのことをしっかり信じていて、10人になってからも0-1から1-1に追い付いて、そこからも点を取り合って楽しかったです」と、数的不利ながらもシーソーゲームを制し、笑顔を見せた。

「ヘディングは苦手」と明かすもゴールに喜び

 水戸戦でゴールを挙げていたサンデーは、「ロッカーのなかで『まだルヴァンではゴールを決めていない。今日決めてそれを変えて嬉しい気持ちで帰ろう』と自分に言い聞かせていました。自分で言っていたことができて、すごく嬉しいです」と、胸を張った。

 大宮は前線の選手たちもアグレッシブに前から守備をする。この試合でもサンデーやカプリーニのボール奪取は相手の脅威にもなったが、サンデーは「(数的不利になって)なかなか攻められないこともいっぱいあった。けど、いろいろなことを考えた。どうやって点を取るか、どうやって体力も残すか、ずっと考えた。自由に攻撃したら守備でやられると思ったので、バランスを保ちつつ両方できるように頑張りました」と、ゴールを狙いながらも求められた役割を遂行できた理由を語った。

 同点ゴールについては「何回もカプリーニからああいうクロスが出てきていた。自分でボールにアタックできると信じていて、ヘディングでゴールを絶対に決めると思ってしっかり中に入って決めることができました」と言い「ヘディングは苦手ですが、今日はプロになって初めてヘディングでゴールを決められたので、ちょっと嬉しかったです」と、ルヴァンカップ初だけではなく、ヘッドでの初ゴールでもあったと明かした。

 公式戦2試合連続でゴールを挙げているサンデーにとって、次の試合は特別な一戦になる。福知山成美高等学校で留学していた時に、プロ入りを実現させてくれた徳島ヴォルティスが相手だからだ。「楽しみですね。両方(徳島と大宮で)教えてもらったことを絶対にその試合で出して、ゴールを取りたいと思います」と、3試合連続ゴールに意欲を見せた。

 身長は178センチながら、ピッチに立っているとそれ以上に大きな選手に見える。潜在能力の高さを感じさせる21歳は、まだまだ止まらない。

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