森保Jサプライズ招集には…「正直、まだインパクトが弱い」 問われる国内組の“脅威”【見解】

【専門家の目|大津祐樹】ハイレベルな競争と強化に着目
日本代表は、3月の北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選でバーレーン(2-0)、サウジアラビア(0-0)と対戦し、1勝1分の成績だった。予選2試合を残し、本大会出場を決めたなかで、今後は来年のW杯出場を懸けたメンバー争いがより激しさを増していく。元日本代表FW大津祐樹氏は、このハイレベルな競争に目を向けつつ、代表チームのの強化につながるポイントも挙げた。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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日本は3月20日のバーレーン戦で8大会連続8回目のW杯出場権を獲得。本大会開幕までおよそ1年3か月、ここから本大会のメンバー入りを懸けた熾烈な争いが展開されていく。焦点の1つとなるのが、代表常連組以外のいわゆる“サプライズ候補”の存在だが、大津氏は厳しい目を送りながらも、それを良い意味で裏切る戦力の出現にも期待を寄せる。
「今の代表のレベルがすごく高いので、パッと入っていけそうな人材という点で言うと現時点ではJリーグ、海外とも正直、まだインパクトが弱い。海外組でも旗手選手だったり、町野選手、関根選手も出番が限られるくらいなので、ここにまたもう1個入ってくるっていうのはやっぱり結構シビアな戦いになる。ただもちろん、いい選手はたくさんいるので、現主力を脅かす存在が出てきてほしい」
戦力の上積みの観点から新たなモデルケースとなり得るのが、サウジアラビア戦(0-0)で先発デビューを飾り、存在感を発揮した20歳のセンターバック(CB)高井幸大(川崎フロンターレ)の抜擢だ。国内組ながらA代表でも十分通用する働きを見せたこの逸材のように、国内組の有望株がA代表でインパクトを残す流れができるかどうかは興味深いポイントだ。
「国内組がどれだけ海外組を脅かすかっていうのは、強化における1つのポイントだとは思います。そういった競争が刺激になる。海外組が多数を占める形は変わらないでしょうけど、高井選手のように国内組の若手が台頭したことは新たな流れを感じさせます。彼らも、やっぱり海外でプレーしてる日本人選手たちから刺激を受けているでしょうし、好循環が生まれると良いですよね」。大津氏はこう持論を述べ、より質の高い競争による代表チームの成長を願った。
(FOOTBALL ZONE編集部)

大津祐樹
おおつ・ゆうき/1990年3月24日生まれ、茨城県出身。180センチ・73キロ。成立学園高―柏―ボルシアMG(ドイツ)―VVVフェンロ(オランダ)―柏―横浜FM―磐田。J1通算192試合13得点、J2通算60試合7得点。日本代表通算2試合0得点。フットサル仕込みのトリッキーな足技や華麗なプレーだけでなく、人間味あふれるキャラで愛されたアタッカー。2012年のロンドン五輪では初戦のスペイン戦で決勝ゴールを挙げるなど、チームのベスト4に大きく貢献した。23年シーズン限りで現役を引退し、大学生のキャリア支援・イベント開催・備品支援・社会人チームとの提携・留学などを行う株式会社「ASSIST」の代表取締役社長を務める。2024年から銀座の時計専門店株式会社コミットの取締役に就任。