「物怖じしない」20歳に代表OBも驚き 見逃さない“スイッチパス”引き出した存在【見解】

初スタメンで圧巻プレーを見せた高井幸大【写真:徳原隆元】
初スタメンで圧巻プレーを見せた高井幸大【写真:徳原隆元】

【専門家の目|太田宏介】高井は90分フル出場で日本の無失点に貢献

 2026年北中米ワールドカップ(W杯)へ向けて、アジア最終予選で20歳の才能が花開いた。3月25日の第8節サウジアラビア戦でDF高井幸大(川崎フロンターレ)がA代表初スタメンを飾り、20歳とは思えぬ落ち着いたプレーで無失点に貢献。元日本代表DF太田宏介氏も「森保さんが計算ができるCBになった」と賛辞を送っている。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)

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 192センチという長身を生かし、川崎フロンターレのセンターバック(CB)として活躍する高井。森保ジャパンでは、サウジアラビア戦が2度目の出場、初の先発となった。3バックの右で何度も攻撃の起点となる鋭いパスを供給。圧力の抑えられたサウジアラビアだったとはいえ、守備面でも無失点に貢献する堅実さを見せていた。

 そんな高井の絡んだビッグチャンスは前半8分。相手最終ラインとボランチの間に生まれたギャップに入ったMF田中碧の動きを見逃さない見事なパスを差し込む。ターンから前向きで前田へとラストパスが送られ、シュートは惜しくもポスト直撃となった。

 太田氏も「あの縦パスだけではなく、ビルドアップでも良かったです。サウジアラビアがそこまで攻めてこなかったですが、それでも背後のスペースのケアもしっかりできていましたよね」と試合を通し安定した好守のプレーを称えている。

「オリンピックや、Jリーグで見ていてもいい選手だなと感じていました。しっかり若手が育っていますね。森保さんが計算ができるCBとして、新たな1人が加わったなと思います。国際経験をさらに積んで、より進化してほしい選手です」

 寡黙な印象もある高井だが、太田氏も「何事にも物怖じしない、落ち着いた印象を受けました。普段から冷静なんでしょうね」と、その堂々とした立ち振る舞いに驚きを隠さない。「僕が20歳であの舞台を経験していても、やはりあの安定したプレーはできないと思います」と、高井のメンタル面にも言及した。

 一方で、こうした若手の選手が馴染やすい“森保ジャパン”の環境面にも触れる。「中継でも映っていましたが、長友(佑都)君がさまざまな選手に声をかけていましたよね。ヘンリー(望月ヘンリー海輝)が代表に入った際も、『凄くサポートしてくれた』という話を本人から聞きました。経験あるベテランの選手が、若手に与えている影響は大きいと思います」。こうしたマネジメントの面でも、DF長友佑都(FC東京)の存在は重要だ。

 また、今の代表についても太田氏は「年齢層のバランスが凄くいいですね」と、チーム構成の良さが今の雰囲気につながっていると考えている。高井がスムーズに活躍を落とし込めている理由には、そういった背景もあるのかもしれない。

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