「ポテンシャルを示した」20歳の大器がカギ 森保ジャパンがW杯優勝へクリアすべき3つのこと【コラム】

日本代表がW杯に向けてクリアするべきことをまとめた【写真:徳原隆元】
日本代表がW杯に向けてクリアするべきことをまとめた【写真:徳原隆元】

次の日本代表の活動は6月のオーストラリア、インドネシア2連戦

 日本代表は3月25日、2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選第8戦で、サウジアラビアに0-0で引き分けた。次の代表活動は、本大会の開幕までちょうど1年となる6月。森保ジャパンが掲げる「W杯優勝」に向けて、クリアすべき“3つのこと”を整理した。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・井上信太郎)

【PR】DAZNを半額で視聴可能な学生向け「ABEMA de DAZN 学割プラン」が新登場!

   ◇   ◇   ◇   

①4人目のボランチ

 人材豊富な2列目や両サイドと比較すると、層が薄いのがボランチだ。2022年カタールW杯でも主力を務めた遠藤航(リバプール)、守田英正(スポルティング)、田中碧(リーズ・ユナイテッド)の3人は今も健在。しかし、カタール後の2年半で彼らの存在を脅かす“4人目”は現れなかった。

 今回選ばれたMF藤田譲瑠チマ(シント=トロイデン)以外にも候補はいる。ドイツで1年目から躍動するMF佐野海舟(マインツ)やMF川村拓夢(ザルツブルク)らは、6月以降で試される機会が来るはずだ。森保一監督が「W杯で勝っていくためにはやはりレベルの高い選手たちが2チーム、3チーム分作れるぐらいの選手層を厚くできるようにしていきたい」と言うように、目標に掲げるW杯優勝には8試合を戦わなければならない。鉄板の3人と遜色ない4人目が現れた時、W杯で勝ち上がる可能性は高まる。

②ステップアップ

 今夏の移籍市場では、MF三笘薫(ブライトン)やMF久保建英(レアル・ソシエダ)、MF堂安律(フライブルク)をはじめ、ビッグクラブへステップアップが期待される選手も多い。だがW杯が1年後に控えることを考えると、環境を変えるかどうか、難しい判断が求められる。

 森保監督はW杯出場決定の翌日、3月21日に行われた会見でW杯メンバーに求める基準を示した。「選手たちは日常の中で隣にいるキャプテン(遠藤)もそうですが、チャンピオンズリーグ(CL)に出ていて、5大リーグで日々激しく厳しくプレーしないといけない中、CLを戦う時はホーム&アウェーで8試合やそれ以上の連戦をすることもあると思います。W杯と同じインテンシティーやプレッシャーがかかる中で日常の戦いをしてくれる選手がより多くなることが、代表ではなかなか強化できない中で必要になる。選手にはそこを目指していってほしい」と話した。W杯優勝を目指すにはステップアップは必須。出場機会を得られるかを含め、今夏の移籍市場での“決断”が本大会にも影響を与えそうだ。

(左から)負傷中の冨安健洋とサウジ戦で好プレーを見せた高井幸大【写真:徳原隆元】
(左から)負傷中の冨安健洋とサウジ戦で好プレーを見せた高井幸大【写真:徳原隆元】

20歳DF高井幸大が鍵を握る

③冨安の負傷

 これまで森保ジャパンの守備陣を支えてきたDF冨安健洋(アーセナル)が必要なピースであることに変わりはない。だが右膝の手術で再び長期離脱となった今、冨安が本大会にいないことも覚悟しなくてはならない。

 大きな期待がかかるのが、初スタメンとなったサウジアラビア戦でフル出場したDF高井幸大(川崎フロンターレ)だ。192センチの高さに、前半9分に鋭い縦パスを入れて決定機を演出した攻撃センスを持ち、落ち着きを備えた20歳の大器。試合後には指揮官に「個人としては高井のポテンシャルと、Jリーグのポテンシャルを感じた」と言わしめた。今回は負傷で選ばれなかったDF町田浩樹(ユニオンSG)やDF谷口彰悟(シント=トロイデン)らもいるが、冨安級の潜在能力を秘める高井が本大会までにどこまで伸びるかも、大きなポイントになる。

 アジア最終予選で圧倒的な強さを示した森保ジャパンだが、目指すのはあくまでW杯優勝。本大会までの1年3か月で個人、チームともにレベルアップが求められる。

(FOOTBALL ZONE編集部・井上信太郎 / Shintaro Inoue)



page 1/1

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング