“ベタ引き”サウジに苦戦、遠藤&鎌田「連係悪くない」の声も…W杯決定後に浮かんだ課題

サウジの5バック崩せず…日本がスコアレスドロー
日本代表は3月25日の2026年北中米共催ワールドカップ(W杯)最終予選の第8戦、サウジアラビア戦に0-0で引き分けた。予選前の下馬評では首位を争うと目されたサウジアラビアが完全に引いて守備を固める試合展開に。カタールW杯後のゲームで初めて無得点に終わったチームの課題について、主将のMF遠藤航やMF鎌田大地は攻撃の約束事をチームで共有する必要性に触れた。
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日本は20日に行われたバーレーン戦(2-0)に勝利してW杯出場権を獲得したが、サウジアラビアは熾烈な2位争いに巻き込まれている。そのなかで迎えた日本のホームゲームに、サウジアラビアは5-4-1で守備的なブロックを引いた。試合後にエルベ・ルナール監督が引き分けについて「満足だ」と話したほどだったが、日本の立場からすれば人数を掛けた守備ブロックを崩せずに終わった試合になった。
アタッキングサードまでボールを運ぶことには苦労しない状態だったが、そこから苦しんだ。バーレーン戦から6人のスタメン変更をしたことで連係への影響があったのかという点について、遠藤は「そういうのはない」と否定し、鎌田も「今日も連係は別に悪くなかったと思うし、普段出ている選手が出てもああやって最初に数回大きなチャンスを逃してしまうと、こういう試合になっていたと思う」と話す。ただし、最後の局面でチームとしての共通理解が必要ではないかという意見は同じだった。
遠藤は「最後シンプルにクロスを上げるだけではなくて、どういうふうにサイドを変えるのかとか、どういうふうにクロスを上げるのかとか。もっと決め事があったほうがいいのか、単純に選手たちの特徴を生かすようなある程度フレキシブルにやってくのがいいのかみたいなところというのは、サッカーにおいては難しい部分なので。そこをチームとしてどういうふうに最後崩そうかというところは、また次の機会でしっかり修正していく感じではないか」と話す。
また、鎌田はより具体的な攻撃の形として「タイミングが合えば、全然その身長だったり、ヘディングの強さっていうのを、インスイングとかで入れる場合はいらないと思う。何かそこはプレースタイルというよりも、結局ヨーロッパの上のクラブを見てもああやって守られてチップボールで背後に抜けて、一個パスして点を入れるとか。そういうシーンがやっぱ上のクラブにいけば多いと思うので、そういう部分を自分たちも共通意識として持てればいいかなと思う」と話した。
試合ごとに選手の入れ替わりがある中では、長くプレーする選手同士の阿吽の呼吸で解決することが難しい場合もある。あまりにもパターン化することは別の問題を起こす可能性もあるが、出場選手に関わらず共有される攻撃の形が必要なことも示唆する試合になったと言えるのかもしれない。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)