伊東純也が“ベタ引き”サウジに驚き「こんなの初めて」 捨て身の5バックに「ビックリ」

後半途中から右サイドで出場した伊東純也【写真:徳原隆元】
後半途中から右サイドで出場した伊東純也【写真:徳原隆元】

W杯アジア最終予選でサウジとスコアレスドロー

 日本代表は3月25日の北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選でサウジアラビア代表と対戦し、0-0で引き分けた。MF伊東純也は、DF菅原由勢との交代で後半17分から出場。惜しいシュートを1本放ったが、均衡を破ることはできなかった。

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 この試合、サウジアラビアは何がなんでも勝ち点を取るという姿勢で臨んできた。試合後の記者会見でサウジアラビアのエルベ・ルナール監督は「ショーを台無しにして申し訳ない」と、エンターテインメントの点では物足りない内容にしたことを詫びたが、逆に言えば懸命に守ってきた相手に日本が得点をできなかったということだ。

 途中出場でゴールをこじ開けることが期待されていた伊東は「2回くらいチャンスはありました。(鎌田)大地からのパスで抜け出してシュートを打ったヤツと、(堂安)律とのワンツーで抜け出したヤツというのはありましたが、もっと多く作れたかなと思います」と、ゴールを挙げられなかったことを悔やんだ。

 前半のチャンスでゴールを決めることができていたら、相手も前に出てこなければならずに全く違う試合になっていただろう。伊東も「前半の最初のほう、やっぱりチャンスがあったと思うんで、そういうところで1点入っていれば、また違った試合展開になったかなと思います」と、序盤のチャンスで仕留めきれなかったことをチームとしての課題に挙げた。

 日本代表がノーゴールに終わったのは、2022年のカタールW杯コスタリカ戦(0-1)以来のこと。その事実を知った伊東は「そうなんですか?」と驚き、「そうですね。確かに毎回、点を取っていたイメージがあります。相手が割り切って守ってきた時、サウジはもともとレベルの高いチームで、そういうチームがこういうブロックを敷いてきた時にしっかり崩せるようにしなきゃいけないと思います」と、改めて攻撃力を高める必要性を口にした。

 サウジアラビアがこれだけ引いて守ってくることは、予想していなかったという。「4枚でやってくると予想していましたが、アップの段階で5バックにしてくることが分かったので。でも、サウジとは何回もやってきましたけど、こんなに引いてくるのは初めてだったので、ちょっとビックリしました。サウジとやる時は、どちらかというと支配率で負けているような試合のイメージでしたが、今日は持つ時間が長くて相手も割り切って『ボールを持たなくていい』という感じだった」と、これまでの試合とは違ったと振り返っている。

 アジアの強豪国の1つであるサウジアラビアが、これだけ自分たちのスタイルを捨てて、日本の良さを消す戦い方に変えたのは、それだけ日本が認められたということだろう。仮にこの先、日本がポッド2を目指すのであれば、残り2試合のアジア最終予選も難しい試合になる可能性は十分だ。

 そのためにもゴールをこじ開ける力が必要だ。伊東は「どのチームもああやって守ってきたら崩すのは難しい。1本のパスの質であったり、1本のシュートの質で決まるかなと思う。自分もシュートチャンスが1本あったので、決めていれば普通に1-0で勝てていたので、そういうところが大事だと思う」と、プレーの精度を高める重要性を語った。

 W杯本大会まで、さらなる強化を進めなければいけない日本代表だが、伊東の起用法についても検討の余地があるだろう。途中出場したこの日も、そのプレーへの期待ぶりが分かるように、伊東がタッチライン際に立った際には大きな歓声が沸いた。しかし、「クラブではこの前、初めて途中出場しましたが、少し途中出場のほうが難しいところはあります。自分は(スタートから)リズムを作っていくタイプなので。どちらかって言ったら、ジョーカーは苦手なんで、少し慣れないといけないなと思います」と話した。規格外のスピードを誇り、決定的な仕事ができるアタッカーをジョーカーに据えるのか、本人も自信を持つ先発に戻すのか。森保一監督の決断が注目される。

(河合 拓 / Taku Kawai)



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