長友が経験した苦い過去「うまくいき過ぎも良くない」 後輩へ伝える”教訓”「本当に苦しかった」

別メニュー調整も取材に応じた
日本代表DF長友佑都は、3月25日に埼玉スタジアムで行われる2026年北中米共催ワールドカップ(W杯)アジア最終予選のサウジアラビア戦に向けた前日練習は、冒頭15分公開のピッチには姿を見せず別メニュー調整となった。一方、その後の取材対応では現チームの主力となっていく選手たちに対し、自身が持つ過去の苦い経験を伝えたことを明かした。
【PR】ABEMA de DAZN、日本代表選手の注目試合を毎節2試合無料生中継!
日本は3月20日のバーレーン戦に2-0で勝利したことで、最終予選を3試合残して史上最速の突破を決めた。ここからは本大会を見据えて結果にこだわりつつもチームの成長にフォーカスしていくこともできる。そうしたなか、23日の練習を過去2大会で監督を務めた岡田武史氏が訪れ、冒頭に選手たちへ話をする機会が設けられた。そこでは、事前に結果が出ている時のチームほど本大会では思うような成績が残せず、逆に厳しい臨戦過程のチームほど結果が出ているという話題があったという。
長友は2010年の南アフリカ大会に岡田氏のチームでW杯デビューし、以降14年ブラジル大会、18年ロシア大会、22年カタール大会と経験している。その中では、MF本田圭佑ら同世代が中心メンバーになって臨んだブラジル大会を苦い経験として、MF堂安律、MF南野拓実、DF菅原由勢、DF板倉滉に伝えたと明かした。
「今日も何人かの選手とお茶をしたというか、話していたんですけど、その話がちょうど出て、失敗じゃないけど、自分の気持ちも含めて自信が過信だったと気づかされた大会だったなと。その部分はこのチームがうまくいき過ぎるのも良くないと思っていて、どこかでうまくいかなかったり、負けは許されないかもしれないけど、負けて学ぶこともある。そういった意味で、足下をすくわれないようにしないとダメだぞ、と。ちょうどその話が出ました」
さらに長友は「2010年もそうだし、18年もそうだった。22年の時は最終予選から本当に苦しかったからね。逆にうまくいかずに悩んだりしたときのほうが危機感があって、W杯にいい形で臨める。ブラジルは逆だったので。もちろんすべてがうまくいくほうがいいけど、そんなにうまくはいかない。そういう自分の苦い経験を彼らに伝えたり、それを言葉だけじゃなくて生き様で伝えたら、みんなにも響くと思う。W杯出場は決まりましたけど、危機感を持って戦っている姿だったり、そういったものを見せて伝えていきたい」と話す。
岡田氏の訪問について長友は「本当にすごいなと思って。もちろんあれだけいろいろな経験をされているので、出てくる言葉も『何を言うかより、誰が言うか』ってよく言われますけど、まさにそのとおりだと思った」と話した。今大会の最終予選ではコンスタントに招集されながらも出場機会のないベテランだが、歴史を知る伝道師としてチームに影響を与えている。
(FOOTBALL ZONE編集部)