印象付けた「日本は強いぞ」 10年前から時代変貌…元代表GKが驚いた進歩

浦和GK西川が代表についてコメント
日本代表は2026年北中米共催ワールドカップ(W杯)のアジア最終予選を、3試合を残して史上最速での突破を果たした。開催国を除く世界最速での決定は、7試合を6勝1分で24得点2失点の圧倒的な力を見せたもの。過去に最終予選を経験した選手からすると、隔世の感があるようだ。
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「もう、ピリピリでしたよね。負けられない戦いで」と話したのは、18年ロシアW杯に向けた最終予選を経験しているGK西川周作だった。当時の西川は10試合の最終予選のうち前半の5試合で正GKとして試合に出場していた。その初戦はホームでアラブ首長国連邦(UAE)に1-2で敗戦を喫し、第3戦のイラク戦もホームゲームでほぼラストプレーのようなところでMF山口蛍が決勝ゴールを奪って2-1での勝利を決めるほど。際どい試合の連続で、「一歩間違えれば」というギリギリの最終予選だった。
最終的にホームでオーストラリア戦に勝利して1試合を残して1位突破を決めたものの、2位オーストラリアと3位サウジアラビアとの勝ち点差はわずかに1だった。西川も「あの緊張感と言ったらもう。それもたまらないものがあるんですけど」と笑いつつ、「今の日本代表は本当にノビノビして、今ではほかのチームから『日本は強いぞ』って思われていますからね」と話す。
この最終予選に向け、森保一監督はアジアでの戦いと世界での戦いへ違うアプローチをしていることを明らかにして、超攻撃的な5トップを形成して突破を決めた。ホームでオーストラリアと引き分けこそしたものの内容的には圧倒したゲームであり、最終的に出場権を確保するアジアの8チームというだけでなく、グループ2位以内でプレーオフに回らずに決めるという意味でも、全く危なげがなかった。
ここまで7試合にフル出場しているGK鈴木彩艶が浦和時代のチームメートということもあり、祝福のメッセージを送ったという西川だが、現代表のプレーぶりについて「いや、もう今の日本代表はみんなが海外組で世界を経験しているので、相手のレベル関係なしに日本代表の強さを毎試合で出しているなと。海外に行った選手たちの経験値が大きいんじゃないかなと感じますね」と話す。
そして、サンフレッチェ広島時代に指導を受けた森保監督のチームマネジメントについて「本当に進歩しているし、見ていて楽しい。みんながノビノビやっている感じがします。森保さんが選手とコーチを常にリスペクトして指導されていると思うので。そのような人間性を広島時代に感じましたから、いい雰囲気でできているんじゃないかなと思います」と話していた。

現代表の選手たちから最終予選に臨むにあたって油断や慢心を感じるわけではないが、一方で自信に満ち溢れた姿を見てきたのも事実だ。西川が「もう、ピリピリでした」と話した約10年前の雰囲気との違いは、それだけ日本サッカーの進歩を証明していると言えるのかもしれない。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)