開幕4連敗→2連勝…岩政監督「毎試合、緊張で眠れない」 過渡期の札幌で向き合う理想と現実

チーム作りと目の前の勝ち点「どちらかに比重を置いているつもりはない」
北海道コンサドーレ札幌は3月23日、J2リーグ第6節で愛媛FCに2-1で逆転勝ちした。開幕4連敗から2連勝と、思い描いた試合内容ではなくとも勝ち点を拾うことに成功。岩政大樹監督は、「7年間、別のフットボールをしていたものを変えている段階。これを1年で全て改善できるとも思っていないです」などと語った。
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負ければ再び最下位転落となる一戦だったが、前半9分にはGK中野小次郎とDF家泉怜依の連係ミスから相手にスーパーゴールを叩き込まれる。しかし、前半36分にMF近藤友喜が右サイドを突破し、FWアマドゥ・バカヨコが今季初ゴール。後半37分にはMF木戸柊摩のクロスからFWキム・ゴンヒが豪快に決めて逆転に成功した。
札幌は昨季限りでミハイロ・ペトロヴィッチ監督が退任。7年間という長期政権だったため、選手たちも前任者のやり方に慣れているのも当然だ。そのなかで岩政監督は自身の描くサッカーに取り組みつつ、1年でのJ1昇格という高い目標を掲げた。しかし、開幕4連敗で難しいミッションだということも再認識させられた。
「プロとしては100パーセント次の試合に勝ちに行っています。ただ、そのなかで選手たちの成長のためには失敗が含まれていると思っています。これはチーム作りをする段階で非常に大事な視点で、起こったことをダメだ、失敗だと捉えて選手たちを罵るつもりはないですし、チームの失敗だと捉えるつもりもないです」
愛媛戦の試合後、このように語った岩政監督。「僕たちは新しいフットボールに取り組んでいます。7年間、別のフットボールをしていたものを変えている段階ですので、それによって起こるエラーは当然あると思っていますし、これを1年で全て改善できるとも思っていないです」と長期的な視点を持っていることを明かした。
「僕には色々なプレッシャーがかかってきますが、選手たちにはそういうものがかからないように、僕自身が冷静に分析をして次の試合に向けて準備をする繰り返しですね。だから、どちらかに比重を置いているつもりはないです。全てを勝つためにやっていますし、毎試合、僕は緊張で眠れないほど試合の準備をしています」
この試合でも、ビルドアップや守備に課題を残したものの、チームにとって連勝は何よりの良薬だ。「失敗を重ねながら学んでいくものだと思っていますし、学んでいこう、成長しようとしている選手たちをどんどん拾っていきながらチームを作っていこうと思っています」と岩政監督。どことなく表情も明るくなったように感じられた。
(FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大 / Keita Kudo)