元日本代表のゴラッソは「自分の判断ミス」 スーパーボレーに悔しさ露わ「良い勉強になりました」

前半には連続セーブでチーム救うも…RB大宮に敗戦した水戸GK松原が試合を振り返る
水戸ホーリーホックは3月23日に行われたJ2リーグ第6節の大宮アルディージャ戦に0-2で敗れた。前節まで3試合連続でドローだったため、公式戦4試合未勝利となった。この日の前半に4度のスーパーセーブを見せたものの、元日本代表FW杉本健勇のスーパーボレーを含む2失点を喫したGK松原修平は、「充実した試合というか、勝たなきゃいけないんですけど、1つ1つ試合に出させてもらったなかで反省できるのは良かったと思います」と前を向いた。
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試合の立ち上がりの前半9分に中央から崩されてMF泉柊椰に放たれたシュートを足でストップした松原は、前半終了間際にも決定機を連続で止めた。まずは前半42分に泉のクロスからFW藤井一志が右足で放ったシュートを止める。同43分にも左サイドからMF小島幹人のクロスをFW杉本健勇にワンタッチで合わされるが、これにも反応。その直後にもこぼれ球を拾った藤井のシュートを弾き、無失点に抑え切った。
前半43分の連続セーブについて、松原は「クロスに対して杉本選手が入ってくるというのが分かっていたので、なんとなく立ち位置は分かっていました。それに対して反応しようと思って、良いセーブができました。藤井選手のシュートに関しては、熊本戦でGKとの1対1をループシュートで浮かしていたので、そこで飛び込んでしまったらGKを見れている感じがあったので、分析をして飛び込まずに慌てずに対応しようということで、自分の反応を信じて止められました」と、試合前からの分析もあってのことと振り返った。
アウェーゲームということもあり、後半になると大宮が勢いづいてくることは予想していたという。ハーフタイムには、「もう一個、ギアを上げないと、ただ押し込まれる」と、昨季のJ3王者を警戒していたが、実際に後半に選手交代をしながら勢いづいてくる相手を止めきれなかった。
1失点目は「ちょっと中途半端になった」
1失点目に関しては、DFガブリエウに最終ラインの裏へロングボールを入れられたところ、途中出場したFWオリオラ・サンデーに決められた。松原はチームの弱さが出たと唇をかむ。
「うちのセンターバック(CB)の特徴として、バチッと前には行けるんですけど、あの時間帯にサンデー選手みたいにスピードがある選手に背後を狙われると、うちも対応しづらい。そういうところで、ちょっとラインを引いて守るとか、アウェーのラスト10分だったので、しっかり5-4-1で構えながら、もう1回セットプレーで押し込んでいくのも、うちとしてはありだったかなと。どうしても勝ちたかったので、ちょっと中途半端になった。映像をちゃんと見ないといけないけど、たぶん最終ラインがガタガタになっていたので、そこでサンデー選手にスペースを与えすぎてしまったなという印象があります」
最終ラインの裏を取られた後の1対1の対応について、クラブのレジェンドでもある本間幸司氏とも試合直後にどうすべきだったかを確認したという。「さっき本間さんと話しましたが、あの状況になったらもう1回下がって、サンデー選手にファーストタッチをさせてから詰めるとか、そういうところもあったと思う。その前にダイビングヘッドで飛び込んで1対1を回避することもあった。1対1になって、あそこでちょっと行ってしまったのでループも横もあるようにしてしまった」と悔やむ。
「もうちょっと冷静に1回、逆にサンデー選手に余裕を持たせてからシュートを打たせて止めるほうが、僕的にはいい形だった。ループもあって、横もあるというのは、GKとして一番守れない」と、自分のプレーも反省して、「こうやって冷静に分析できるのも、30歳を超えてGKが楽しくなってきたから。悔しいですけど、充実した試合」と続けた。
2失点目は杉本健勇のスーパーボレーに屈した
もう1つの失点は、よりGKにとって悔しいものだろう。試合後の監督会見で森直樹監督も「GKがあそこはパンチングじゃなくキャッチしていれば、問題なかった。パンチングで逃げたことでのスーパーゴールだった」と口にしたように、エリア内にクロスが入った時にフリーだった松原はキャッチもできそうな状況だった。
松原も「力負け」と口にした。「セットプレーのこぼれ球からだったので、もうちょっと人がいるかなと思って。最初に首を振った時には、ファーサイドに人が溜まっていたので、飛び込んでくるかなと思ってパンチにしたんですけど、フリーだったので。普通の、並みの選手だったらトラップして、フカしてくれるんですけど、杉本選手みたいなJ1でもやれるような選手に与えてしまうと、やっぱりトラップしてシュートじゃなくて、ダイレクトであれを打たれる。そうするとなかなか難しい。力負けというか、自分の判断ミスも含め、周りのコーチングの声もそうですし、僕がかける言葉もそうですし、味方からかけてもらうコミュニケーションも聞こえなかったなかで、ちょっとマイナスな判断をしてしまった」とシーンを振り返る。
それでも「あとはあのシュートを止めるんだったら、もう一個下がって止めないといけないので。良い勉強になりました」と、今後のプレーにつなげていくと語った。
4戦未勝利となったが、第7節のいわき戦の前にルヴァンカップを挟むことを前向きに捉える。「次、1回違う大会を挟むことで、新たに出る選手もいるでしょうし、そういったところでもう一回競争があります。1週間しっかりやって、次、うちは常磐線ダービー(いわき戦)ですからね。僕らも苦しいけど、いわきもそれ以上に苦しい状況にあると思うので。そこで僕らは昨シーズン、ことごとく落としたので、泥臭くても勝ち点3取れるように。ホームは本当に勝ち点3以外いらないので、しっかりキーパーとして無失点にこだわってプレーしていきたい」と、今季1勝2分けと無敗を続けているダービーでの完封を誓っている。