日本代表を生き返らせた“1本のパス” 先輩絶賛…名門クラブDFが「素晴らしかった」【見解】

先制ゴールの起点となる縦パスを出した伊藤洋輝【写真:徳原隆元】
先制ゴールの起点となる縦パスを出した伊藤洋輝【写真:徳原隆元】

【専門家の目|太田宏介】名古屋時代の後輩である伊藤のプレーに注目

 森保一監督が率いる日本代表は3月20日、2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の第7戦でバーレーンと対戦し2-0の勝利を飾った。元日本代表DF太田宏介氏は、名古屋グランパス時代に同僚だったDF伊藤洋輝の得点につながったプレーを絶賛している。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)

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 今季からドイツ1部シュツットガルトから名門バイエルン・ミュンヘンへと渡った伊藤。シーズン開幕前に右足中足骨を骨折し長期離脱をしたものの、復帰後は主力としてスタメンを張っている。3月の日本代表メンバーにも選出され、今回のバーレーン戦では3バックの左を任された。

 伊藤の持ち味は性格な左足のキック。後半21分にMF鎌田大地が決めた日本の先制弾も、伊藤の鋭い縦パスから生まれた連係だった。太田氏も「一度前へ洋輝が持ち出して、それが合図となって上田(綺世)選手が下りてきました。前へ抜けた鎌田(大地)選手ではなく、上田選手を見ていたことと、またパススピードも素晴らしかったです」とこのプレーを称えた。

 伊藤のボールを受けたFW上田綺世が反転。縦へ抜けたMF久保建英へとボールを預ける。一度外へ持ち出したスペースへMF鎌田大地が斜めに走り込み、ペナルティーエリア内でスルーパスを受け技ありのゴールを決めた。

 その一方で、試合を通して見た太田氏は「うしろのビルドアップで洋輝から三笘(薫)選手のサイドにシンプルに当てるシーンは結構ありました。けれど前半から割と詰まっている印象は受けましたね。なかなか効果的な楔が打てていなかったです」と指摘。得点シーンでは、そういった攻撃面がうまく噛み合った好例だったという。

 また守備に関しては「1、2回相手に吹き飛ばされてクロスを上げられたシーンもありました。怪我明けまだ間もないですし、これからさらに調子を上げていくはずです。ガツガツ倒していってほしいですね」と、後輩の成長を温かく見守っていた。

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太田宏介

太田宏介(おおた・こうすけ)/1987年7月23日生まれ。東京都出身。FC町田―麻布大学附属渕野辺高―横浜FC―清水エスパルス―FC東京―フィテッセ(オランダ)―FC東京―名古屋―パース・グローリー(オーストラリア)―町田。Jリーグ通算348試合11得点、日本代表通算7試合0得点。左足から繰り出す高精度のキックで、攻撃的サイドバックとして活躍した。明るいキャラクターと豊富な経験を生かし、引退後は出身地のJクラブ町田のアンバサダーに就任。全国各地で無償のサッカー教室を開校するなど、現在は事業を通しサッカー界への“恩返し”を行っている。

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