海外絶賛…日本代表で「まさに完全無欠」 殊勲の90分に脱帽「過去最高のパフォーマンス」【コラム】

英記者も久保建英の圧巻パフォーマンスを絶賛した【写真:ロイター】
英記者も久保建英の圧巻パフォーマンスを絶賛した【写真:ロイター】

英記者が日本のバーレーン戦を総括、1G1A久保を大絶賛

 森保一監督率いる日本代表(FIFAランキング15位)は3月20日、2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の第7戦でバーレーン(同81位)と対戦し2-0の勝利を収めた。かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ(W杯)を7大会連続で現地取材中の英国人記者マイケル・チャーチ氏が、この試合を総括。1ゴール1アシストの活躍でチームに勢いをもたらした久保建英のパフォーマンスを絶賛している。

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 日本代表がワールドカップ(W杯)出場を再び決めた。埼玉スタジアムで行われたバーレーン戦の前半、サムライブルーはナーバスで、いつもの流動性を欠いていたが、それでもこの結果は疑いようのないものと言えるだろう。

 そんななかで日本には圧倒的な輝きを放つ男がいた。久保建英だ。彼はおそらく日本代表として過去最高のパフォーマンスを披露した。勤勉さと闘志と高い技術を持ってチームを停滞から救い出した。

 私はこのレアル・ソシエダの男を中田英寿と比較したことがあるが、この試合の久保はアジア年間最優秀選手に2度輝いた中田に匹敵するほどだった。久保はペルージャやローマで活躍した男のように、あらゆることをやってのけたからだ。

 キックオフから試合終了のホイッスルが鳴るまで彼はチームを前進させ、バーレーンに挑み続けた。それらすべてがうまくいったわけではないが、相手を決して休ませないという意図を感じた。

 森保一監督はこれまで常に久保に信頼を置いているわけではなかったように見える。しかし、この試合では久保を信頼し、大きな見返りを手にした。この23歳はピッチを自由に動き回ることが許され、その責任を忠実に果たした。

 彼は右サイドだけでなく上田綺世の背後に入ったり、深い位置まで降りてきたり、左サイドにも顔を出した。守備にも顔を出し、いいカバーリングも見せたかと思えば、前線ではドリブルでバーレーンの守備に襲いかかった。鎌田大地の先制点をアシストしたあと、自ら2点目のゴールも決めた。

 まさに完全無欠のパフォーマンスだった。ここ数年の日本代表の中でも最も優れたものの1つだったといってもいいだろう。試合終了3分前に決めたあのゴールはその素晴らしい活躍にふさわしいものだ。

 サムライブルーはバーレーンのDF相手に苦戦を強いられていただけに、久保の活躍は本当に必要なものだった。ドラガン・タラジッチ監督が率いるバーレーン代表は昨年10月にリファで対戦した時のように簡単に倒せる相手ではなかった。

 守備は粘り強く、久保や上田がペナルティーエリア内で得た決定機も身体を張った守備で阻まれた。簡単には屈しないという意志の表れだった。

 前半の無得点は森保ジャパンの自信を揺るがす可能性があった。森保監督が守田英正を田中碧に代え、明らかに中盤に新たな要素を加えようとしていた。

 しかし、田中はピッチに立った直後のパス交換でリズムを掴み切れていなかった。むしろ、試合の流れを引き寄せたのは鎌田大地の投入のほうだった。

 その鎌田が決めた先制点を演出したのが久保だった。久保は深い位置からの流れるような動きでバーレーンの中盤を切り裂き、クリスタル・パレスでプレーする鎌田へ正確なパスを通した。

 そして、久保は自ら試合を締め括るフィニッシュを飾った。強烈かつ精密なシュートでGKイブラヒム・ルトファラが守るゴールのニアサイドを打ち破った。

 日本は予選突破を決めた。最初の任務はこれで完了だ。この勢いで来年の本大会ではこれまで以上の結果を残すだろう。久保を中心とするチームならそれができるはずだ。

(マイケル・チャーチ/Michael Church)



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マイケル・チャーチ

アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。

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