プレス回避→精密パス…元日本代表が絶賛「出した方の足」 ドイツ名門で活躍する理由【見解】

【専門家の目|ハーフナー・マイク】先制点の起点となった伊藤洋輝の技術
日本代表は3月20日、埼玉スタジアムで行われた北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選でバーレーンに2-0で勝利し、8大会連続8回目のW杯出場を決めた。先制点の場面で起点となったのは、DF伊藤洋輝の縦パス。元日本代表FWハーフナー・マイク氏は、「相手のDFがついていない方に出したのかな」と解説した。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)
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前半を0-0で折り返した日本は後半21分、最終ラインで伊藤がプレスを剥がして縦パスを入れる。これをFW上田綺世が見事なターンで前線のMF久保建英へ展開。久保のパスを受けたMF鎌田大地が右足で流し込んだ。ハーフナー氏は起点となった伊藤のパスで、上田の右足ではなく左足へと出したことに着目した。
「バイエルンでもそうですけど、ボールを持っているときに冷静ですし、慌てないのはいいですよね。どの選択肢が1番いいのかすぐ決められる選手です。1枚剥がしてからの縦パスでしたが、出した方の足、相手のDFがついていない方に出したのかな。それで上田選手もターンしやすかっただろうと思いますね」
ハーフナー氏は伊藤を「なんなく色々こなす」ため、その凄さが伝わりにくいのではないかと指摘。「左足でのフィードも正確ですし、相手からプレッシャーを受けても、慌てずにしっかりビルドアップできます。目立たないようですけど、やっているプレー1つ1つの質が高い選手だなと思います」と絶賛した。
伊藤がジュビロ磐田に在籍していた時代に対戦経験もあるが、「ボールを持っても慌てない選手だな」と驚いたという。バイエルン移籍後に骨折で長期離脱を強いられたが、「あれだけ戦線離脱して戻ってきていきなりスタメン。世界でもトップのチームでしっかりと出ています」。ビッググラブでも重宝されている理由があると語った。

ハーフナー・マイク
ハーフナー・マイク/1987年5月20日生まれ、広島県広島市出身。2006年に横浜F・マリノスの下部組織から昇格。福岡、鳥栖への期限付き移籍を経て、2010年に甲府に完全移籍。2011年にJ1で日本人トップの17得点を挙げ、日本代表に初選出。2012年1月にオランダ1部フィテッセに移籍。スペイン1部コルドバ、フィンランド1部ヘルシンキを経て、15-16シーズンはオランダ1部デン・ハーグに加入し、16得点を記録。その後は神戸や仙台などを経て、2022年に現役引退。日本代表は通算18試合4得点。現在はJ2甲府のクラブアンバサダーに就任し、ホームタウン活動やスクールコーチを務めている。