世界から見た森保ジャパン「ベスト8にいける」2つの理由 元英代表監督の右腕が語る日本の現在地【インタビュー】

横浜FMのホーランド監督が世界目線で森保ジャパンを語った
森保一監督率いる日本代表は3月20日にホームで8大会連続となる北中米ワールドカップ(W杯)出場権を勝ち取った。ここから始まる本大会への道。森保ジャパンは「W杯優勝」を目標に掲げるが、他国から現在地はどう見えているのか。かつてイングランド代表でヘッドコーチを務めた横浜F・マリノスのスティーブ・ホーランド監督に聞いた。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)
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日本が世界へ挑む。頂点を目指す日本は最高で8試合で勝利が求められる。これまでの最高成績はベスト16。まだ決勝トーナメントに入って勝ったことがない日本だが、2回の白星を重ねてまずはベスト8入りできるのか。
「ノックアウトステージでの良い成績はイングランド代表もかなり遠ざかっていた部分がある。でも、ロシアW杯で準決勝、EUROではファイナル(2020、2024で準優勝)までいくことができた。いいところまで行っている時というのは、だんだんみんな、1人1人が信じ始める。自分自身もその勢いを感じていました。『イングランド代表ではノックアウトステージに行くのは普通』だと、みんなが思っていれば自然と(流れも)そうなっていく」
ホーランド監督は1992年から指導者のキャリアを歩み始め、2009年からはイングランド1部チェルシーのリザーブチーム監督に就任。2013年からイングランド代表に関わり始め、U-21代表のヘッドコーチを経て2016年から昨年までA代表のヘッドコーチを務めていた。
イングランド代表ではガレス・サウスゲート監督の“右腕”として、ロシア(ベスト4)、カタール(ベスト8)のW杯、EURO(2020年、2024年)で準優勝。欧州制覇を叶えることはできなかったが、現代サッカーを牽引してきた存在として世界のトップを走り続けてきた。
そんなホーランド監督から見た今の森保ジャパンとは。指揮官は「ベスト8にはいける」と力強く太鼓判を押した。その理由は“経験”だった。
「W杯は本当にユニークな大会になっている。9か月で優勝を目指すJリーグとは違って、1か月で優勝を狙っていく。何より森保監督、選手たちの経験が生きてくると思います。日本代表は年齢も経験豊富な選手がそろっている。すごく若いわけでもベテランすぎるわけでもない。(今のメンバーで)ほとんどの選手がカタールW杯を経験して丁度いい年齢になった。そういう選手がプラス経験を積んでいるというのはすごくいいグループ。期待値も高いです」

名が挙がったプレミアの主力2人 三笘薫と遠藤航は「大きな力」
ホーランド監督は日本代表をカタールW杯・決勝トーナメント1回戦のクロアチア戦を現地で視察。また、イングランドではブライトンMF三笘薫やリバプールMF遠藤航らを視察していた。
「三笘選手は1対1の強みが本当に武器。プレミアリーグでも本当に尊重される選手の一人ですし、世界大会でインパクトを残すと思う。遠藤選手はレギュラーでないにしろ、大きなクラブ、リバプールに所属している部分が大きい。横浜出身ですよね? 彼は誰もが行きたいクラブに自らの手で掴んで行っているわけですから。アメリカではその2人が日本代表の大きな力になると思っています」
さらに、北中米W杯でベスト8を目指せる理由の1つとして「欧州のチームが北中米の大会で優勝できるか、というと簡単ではないと思う。だから自分の見立てとして準々決勝には進むと思う」。森保ジャパンに多大なリスペクトを示すホーランド監督。その言葉は重く、日本代表を静かに後押ししてくれるものだった。
(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)