3年前は“落選”「お前いなかったもんな」 悔しさ糧にリーダーへ「W杯優勝以外の目標を言えない」

前日練習に臨んだ日本代表・堂安律【写真:FOOTBALL ZONE編集部】
前日練習に臨んだ日本代表・堂安律【写真:FOOTBALL ZONE編集部】

堂安律は3年前のW杯が決まる一戦で落選していた

 森保一監督率いる日本代表は3月20日、ホーム・埼玉スタジアムで行われる北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選バーレーン戦で史上最速の本大会出場権を狙う。勝てば無条件で“北中米切符”を獲得できる一戦。背番号10のMF堂安律は特別な思いを抱えて臨む。

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 3年前、歓喜に沸いた敵地オーストラリア。2022年3月24日、同国と対戦したカタールW杯切符が懸かったアジア最終予選戦。均衡した0-0のスコアからヒーローになったのはMF三笘薫だった。後半39分から出場してあっという間に2ゴール。日本代表のW杯切符を手繰り寄せた。これをテレビで見ていたのが堂安だった。

「3年前いなかったので、かなり悔しい思いはしました。昨日(3年前コーチの)ヨコ(横内昭展)さんが練習に来ていましたけど思い出話になって『お前いなかったもんなあ』と言われて……冗談ですけど『よう言いますよ!』って。でも笑い話にできるぐらい自分は努力してここまで来た自負はある。同じ(森保)監督でほとんど同じメンバーの選手がこうやって半分ぐらいは残っているかな。自分は彼らに負けじと食らいついてきた。よくここまで来たなと思いますし、ただ(W杯を)決めてからもっと自分を誇りに思えると思うので、しっかり頑張りたい」

 3年前はW杯を決める一戦のメンバーに招集されず、自分と向き合った。落選だった。そこから見直し、カタールW杯を経て、10番をつけるようになった。今シリーズが始まる前には異例の記者会見を開いて「目標はW杯優勝」と宣言した。

「昔の世代はもしかしたら意識が高すぎる選手がいたら孤立しちゃうみたいな風潮があったかもしれない。でも今はもう全員が前を向いてやっている。かつて本田(圭佑)さんみたいな偉大な選手が言ってくれたことが僕たち世代に受け継がれていますし、世界に近づいている感覚はあります。全選手が現実的だというふうに感じていると思う。W杯優勝以外の目標を言えない状況になったというのはいいことだと思いますし、共通して発言していくことで行動に代わっていくと思う」

 堂安が会見を開いた行動について森保一監督は「我々は今、日本代表として戦う中で今の日本代表の勝利と日本のサッカーの発展のためにということを根幹に活動しています。過去の方々の思いをスタッフ陣では共有していますけど、選手たちになかなかそういう話をすることがない中、選手が自発的に勝つために、これからのサッカーのためにっていうところで表してくれることは、今見られている。過去からの継承があって、今がある。感謝の気持ちを持っているなということは、すごく監督として素晴らしい選手たちと仕事ができて嬉しい」と誇りに感じていた。また遠藤航主将も「律っぽい」と笑いながら「日本サッカーが発展していくためにという思いを強くもっている選手。本当に律っぽいというか、嬉しく思いました」と改めてチームとして同じ方向を向くことができた。

 3年前の悔しさから這い上がってきた。あと1勝でW杯行き。さあ背番号10の出番だ。

(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)



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