ロンドンオリンピック日本代表の背番号10 東慶悟が見せ始めた明らかな変化と可能性
環境が人を変える。東はその渦中にいる
「ユースに入って自分よりもレベルの高い選手がいる中で動かないといけないと思えた。みんなに、うまいけど動かない、と言われ続けた。そこで気づけた。それがなければ、今の自分はないと思う」
その後、トップ昇格した大分で頭角を現し、現在に至った。
そして、今シーズンは過去の自分がそうだったように、変革の時期を迎えようとしている。その東は「満足していない」と今の新しいプレースタイルに先鞭をつけたのだ。
「今年は何もかもが初めて。去年とは違う役割に挑戦することで、自分も成長できると思う」
開幕前から新たな役割を全うしようと試行錯誤を続けてきた。環境が人を変える。東は再び、その渦中にいる。
「やりがいもあるし、地味だけど頑張らないとね」
今、FC東京にはかつての王様の姿はどこにもない。試合開始から終了まで汗をかき、ピッチでむき出しの感情をあらわにする。そんな東慶悟に出会えるはずだ。
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馬場康平●文 text by Kohei Baba