理想の1トップへ 岡崎が「まだまだ課題がある」とさらなる成長誓う

イラク戦無得点に反省するストライカー

 日本代表のFW岡崎慎司(マインツ)が、16日のアジアカップ1次リーグイラク戦で無得点に終わった。だが、代表通算41得点のストライカーは、アギーレジャパンの1トップとしての成熟度に伸びシロを感じていた。
 気温28度、湿度84パーセントという過酷な状況下で行われた一戦は、FW本田圭佑(ACミラン)のPKによる1-0の勝利に終わった。1次リーグで無傷の2連勝となったが、まだ1次リーグ突破は決まっていない。20日には、決勝トーナメント進出を懸けてヨルダン戦に臨む。この状況について、侍ストライカーはこう語った。
「2勝してまだ決まっていないのはなかなかない。気を抜かずにいけるのはポジティブに考えればプラス。一息ついて、もう1度(気持ちを)上げるのは大変。もっと点を取れる展開にしたい」
 ただし、イラク戦での自分自身のプレーには満足していない。
「サッカーは自分がやりたいことを100%やれるわけじゃない。ただチャンスで決めれば、もっと自分にボールが集まって来る。自分はチャンスが3つあったら1つは決めないといけない。それにつきる。もうちょっとボールに絡んでもいい場面もあったのかなと。3トップの1トップとしてはまだまだ自分には課題があると考えている」
 イラクの鋭いカウンターに冷や汗をかく場面もあったが、アギーレ・ジャパンは再三決定機をつくった。
 岡崎自身も前半33分、シュツットガルト時代にコンビを組んでいたDF酒井高徳のクロスにヘディングシュートを放ったが、追加点を奪えなかった。攻守に高い貢献度を示しながらも、12日のパレスチナ戦に続く連発はならず。イラクの巨漢DFに対し、なかなかパスを呼び込めなかったと悔しがった。
「3トップは(味方が)中央に流動的に入って来るシステム。そういう時にどうポジションを取るかが大事。自分が足元でパスを受ける回数も増えてくる。フリーになれるから、(香川)真司とかヤットさん(遠藤保仁)が中に入ってきて、外で受けることもある。仕掛けられる部分は仕掛けていると思う。クロスも自分のタイミングで入った場面もあった。以前よりも自分にボールが集まってきている。もうちょっとかな」
 4-3-3システムは香川、遠藤のインサイドハーフがバイタルエリアに進出することで、数的有利が生まれる。いかに2人が攻め上がるスペースをつくるのか。2人と連動した動きから、どうフィニッシュに持ち込むのか。代表でも順調にゴールを積み重ねてきたが、3トップの中央では、まだまだ成長の余地が大きいと実感している。
 プレミア移籍の情報がヨーロッパで錯綜(さくそう)する中、本人はアジアカップ2連覇に注力すると強調してきた。岡崎は、その過程で理想の1トップへと突き進む。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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