川崎のキングが4か月ぶり復帰 ”技ありパス”で即ゴール演出、監督絶賛「随一ですね」

大島僚太が昨年11月以来の復帰を果たした【写真:(C) AFC】
大島僚太が昨年11月以来の復帰を果たした【写真:(C) AFC】

川崎の10番MF大島が昨年11月22日以来の復帰

 川崎フロンターレの10番が戻ってきた。昨年11月22日に行われた2024年シーズンJ1リーグ第28節延期分の浦和レッズ戦(1-1)以降、公式戦から遠ざかっていた元日本代表MF大島僚太が、3月12日のAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)ノックアウトステージラウンド16第2戦の上海申花(中国)戦に先発し、後半27分までプレーした。

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「自分の身体と相談しながら常に準備をしながら、常に『ここだろう』って思いながらやっていた」という大島だが、アウェーでの第1戦を0-1で落としていた川崎にとって、引き分け以下の結果では敗退が決まる大一番。「負けたらヤバイっていう緊張感は、久しぶりに自分でも意識した」と試合前の気持ちを振り返ったが、3点目のパスワークの起点になるなどらしさを見せ、4-0の勝利に貢献した。

 前半21分には、右サイドからDF佐々木旭が入れたボールをシュートしたが、相手GKに防がれる。この場面を含め、押し込んでチャンスを作っていた川崎なかで、なかなか得点を挙げられなかったが、大島は落ち着いていたようだ。自身のシュートシーンについて「入ったら、事故だなと思いながら打ちました。あまり周りの状況も見えていなくて、ワーっと打った状況だったので」と笑った。

 相手のプレッシャーがかかるエリア内でも、冷静にクロスを上げるなど、高い位置で持ち味の技術を随所に見せた大島は、3点目のゴールの起点となった。左サイドでボールを受けると、トラップでパスコースを作り出して縦パスを入れる。MF脇坂泰斗がスルーしたボールはFWマルシーニョに渡り、ブラジル人FWの折り返しをFW伊藤達哉がゴールに決めた。

 このゴールシーンも、大島は淡々と振り返る。「(狙いは)特にはないです。泰斗がスルーしてくれたので、うまくつながったかなと思います。ただ、その距離にみんなが、あの時は(三浦)颯太も割と近めにいた記憶があるのですが、そんな距離のところは良かったのかなと思いました」と、連係しやすい距離感を保てたことをポイントに挙げた。

長谷部監督も繰り返し絶賛「非常に良かったです」

 この試合について「勝ってよかったです」とホッとした表情を見せた大島。ファンからは大島へ盛大なチャントも送られており、そうしたシーンには「1番興奮する」「泣きそうだった」と瞬間に心を動かされる声も。さらに、初めて監督として彼を起用した長谷部茂利監督は、あらためてその大きさを感じたようだ。

「非常に良かったと思います。彼に託しているのは、彼の長所を出してもらうこと。ボールを扱う技術が非常に高いです。ゲームを握りながらチームを動かしていく。その辺はチーム随一ですね。そういう選手なので、そこをお願いしています。それ以外にも、彼が入ったことで周りが生きてくることがあると思います。攻守の切り替え、守備の切り替えでも相当足を運んでやってくれました。これまでに比べて彼のプレーはあまり目立たなかったかもしれませんが、私の眼にはそういう部分も非常に良くなっているし、試合のなかで表現できていると感じています」と言い「非常に良かったです」と繰り返した。

 悲願のアジア制覇を成し遂げるためにも、その存在は不可欠だろう。準々決勝以降の戦いに向けて大島は、「次からは一発勝負ですよね?」と確認し、「今回は(1戦目)0-1からの逆転のチャンスを残してもらえたというか、相手にとってはやりづらい雰囲気をサポーターも作ってくれました。そういう意味でいうと、本当に神経をすり減らす戦いになるだろうなと思っていますけど、ここまで来たので、ひとまず安心します」と、サウジアラビアで行われる短期集中決戦に気を引き締めつつも、今季初の公式戦を戦えたこと、勝ち上がれたことへの安堵を強調した。

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