“逆輸入GK”超絶スローに驚き「初めて見たかも」 飛距離50m級…「町田の第3GKだったとは」

上海申花戦に出場した山口瑠伊【写真:(C) AFC】
上海申花戦に出場した山口瑠伊【写真:(C) AFC】

川崎GK山口がACLE上海申花戦で披露

 今シーズン、長谷部茂利監督を迎えた川崎フロンターレは、3月12日に行われたAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)ノックアウトステージラウンド16第2戦で上海申花(中国)に4-0で勝利し、2試合合計スコアを4-1としてファイナルステージ進出を決めた。この試合でGK山口瑠伊が見せた脅威のロングスローが話題となっている。

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 川崎では、韓国人GKチョン・ソンリョンが長らく正GKを務めてきたが、今シーズンは山口が正GKを務めている。フランス人の父と日本人の母を持つ町田出身のGKは、ロリアン(フランス)の下部組織を経て、スペインでプロサッカー選手となる。その後、2022年に水戸ホーリーホックに加入し、昨季はFC町田ゼルビアに加入するも、出場機会を得られず。昨年8月に川崎へレンタル移籍し、アジア“青覇”を目指すクラブに今季から完全移籍していた。

 この試合でもフル出場した山口は、後半34分に右サイドを崩されてDFチャン・シンイチからのクロスを中央でFWサウロ・ミネイロに決定機を作られたが、足でブロックしてゴールを守り抜いた。

 堅守で無失点に貢献した山口は、攻撃面でも魅せた。“山口キャノン”が火を噴いたのは、後半44分のこと。相手のセットプレーからロングボールがエリア内に送られると、背番号98は長いリーチを生かしてこのボールをしっかりとキャッチ。すぐに前線の様子を確認すると、大きく振りかぶってボールを前方に投げ込んだ。ボールはグングンと伸びてハーフウェーラインを越して、前線に攻め残っていた味方につながった。飛距離50メートルに達するほどのスローは得点にこそつながらなかったものの、山口がロングカウンターの起点になれることが示された。

 すでに3-0とリードしていたため、無理に攻める必要がない場面でもある。前がかりになっていた相手を押し戻す意味でも、このロングスローは効果的だった。山口は、「特にあの状況は、裏がすごく空いていたので。セガちゃん(瀬川)もすごく見てくれていて感じてくれていたので、そこは出す判断をしました」と言い、「(時間を使うことよりも)その状況はどんどんチャレンジしていこうと思っていました」と語った。

 かなりの飛距離が出ていたことに驚いたと言われても、「距離ですか? 普通ですね」と笑い、「ちょっと横に流れてしまったのでもう少し内側に投げれていたら良かったです」と、反省した。そして、「瞬時に投げても、それを感じてくれる味方がいてくれることがすごく良かったです」と、咄嗟の判断でも意思疎通が図れてパスがつながったことに満足を示した。

 川崎は、その山口のプレーをまとめた動画を公式X(旧ツイッター)で公開。このスローの場面を最初に持ってきていたが、「なんなんこのスロー」「スロー凄すぎ」「初めて見たかも」といった反応があり、さらに「これが町田の第3GKだったとは」「凄い」「こんないいキーパーが埋もれていたのか…」と、26歳で初めてJ1やACLEで戦っている守護神への驚きの声も寄せられた。

 昨年から大きく変わった自身の現状について、山口は「自分を信じてきていたので、ビックリはしていないです。毎日、積み重ねてきたおかげで、今日みたいな日にちゃんとピッチで結果を出せたと思います」と胸を張りつつも「でも、まだまだここから上を目指していきたいので、満足することなく日々成長をしていきたい」と、今に満足することなく、さらなる成長を誓っていた。

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